祝うなら2人でね? (2) |
「おじゃましまーす。あれ?誰もいないの?」 「あぁ、なぜか用事があると言って早々と出て行ってしまった。」 「ふーん。ま、その方がいいかもね。」 「?何か言ったか?」 「何でもない。」 「そうか。俺の部屋に行っててくれ。場所はわかるな?」 「うん。」 はとてとてと階段をあがり手塚の部屋に入った。 「相変わらずキレイな部屋。私の部屋とは大違いだ。」 の部屋はいつもぐちゃぐちゃだった。たまに不二の母親が片付けてくれるらしい。 「お、この紙袋の山は・・・・昨日もらったプレゼントだな?さすがだね。」 「・・・何をあさっているんだ。」 「うにょっ!?あさってないよ〜。人聞きの悪いー。」 「そうか。それで今日は何の用なんだ?」 「ねぇ手塚本当にわかんない?私の荷物とかカッコとか見ても?」 「・・・・・・想像はつくが・・・・。よく不二が許したな・・・・。」 不二はの保護者かっつーの!! 「別に周助何も言わなかったよ?じゃ、あらためましてお誕生日オメデトー!!!」 「////ありがとう。」 ニッコリと微笑まれ赤くなってしまう手塚。 「んでね、これが私からのプレゼント。はい。」 は持っていた2つの袋のうちの1つの中から包みを取り出した。 「開けてもいいか?」 「どーぞ。なーんてたいしたもんじゃないけど。」 手塚はからもらうものにたいしたものじゃないものなどないと思いながら開けた。 「これは・・・・リストバンドとタオル・・・か?」 「うん。でもでもちょこっと一工夫加えてあるんだよー。」 がリストバンドとタオルの一点を指差して言った。 「KUNIMITU.T・・・・これはが縫ったのか?」 「もっちろん。私お裁縫は大得意だからねー。」 「タオルにもしてあるんだな。」 「えへへー。」 照れるの指を見るとそこにはバンソーコーがたくさん。手塚は必死で笑いをこらえた。 「ん?手塚。何がおかしいのよ。」 「いや。大得意と言っている割にはケガが多いなと・・・。」 「あ、いや、これはー。」 パッと手を後ろに隠す。 「何にしても俺のためにすまないな。」 「だって誕生日だもん。あ、あとねケーキも作ってきたの。」 「が作ったのか・・・?」 「あ、だいじょぶだよ。味は周助にもみてもらったし全然甘くしてないから。」 手塚は不二が味見したというのが1番恐いんだが・・・・という言葉を飲み込んだ。 「はい。どーぞ。」 から手渡されたケーキはキレイにできていた。そして手塚は意を決して口の中へ入れた。 「・・・・・・美味い。全く甘くないんだな。」 「だって手塚甘いもの苦手でしょ?でも誕生日だからケーキ作りたかったの。」 「そうか。ありがとう。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「(うむ〜。会話が続かない・・・あ、そうだ。)」 はポンと手を叩くとさっきの袋からまた何か出した。 「手塚、これね皆から寄せ書きしてもらったんだー。何かプレゼントとか あげなさそうだったからね。スペシャルゲストの分もあるんだー。」 手塚が目を通すと確かに青学じゃない人からもメッセージが書いてある。 「・・・・氷帝や不動峰までいちいち行ってきたのか?」 「うん。書いてって言ったら快く引き受けてくれたんだよー。 まさか氷帝の皆まで書いてくれるとは思わなかったけどねー。」 「(氷帝の奴らもに惚れているからな・・・)全部が考えたのか?」 「あのね茜に相談したら茜は私にあげられないものを彼氏にあげたって言うんだよね。」 「それでこれを考えついたのか。」 「うん。」 ニコニコと話すに自然と顔がやわらぐ手塚。 「ねぇねぇ手塚ー。前から聞きたかったんだけどさ、どうして手塚だけ苗字なの?」 「?どうしてだ?」 「他の皆は名前で呼ぶのに手塚だけ私のことじゃん?って呼んでよ。」 「いきなり呼び方を変えるのは無理だ。」 「うーん・・・・じゃあ1回だけ呼んでみてよ。ね?」 にお願いされて手塚が断れるはずもなく・・・ 「・・・・・・・・・。」 「なぁに?」 「お前が呼べと言ったんだろう。」 「いやぁ、照れる手塚はかわいいなと思ってさ。」 「の方がかわいいんだが・・・・」 「何?何か言った?」 すると手塚はおもむろにの頬に手をそえた。 「・・・・・・・。」 手塚がに顔を近づけようとしたその時・・・・ 「あら?国光?そちらのお嬢さんは?」 何てタイミングの良さでしょう。手塚の母彩菜がドアをガチャッと開けた。 「あ、お邪魔してます。私テニス部のマネージャやってるです。」 「まぁいらっしゃい。下でお茶でもどうですか?」 「あのでも、そろそろ帰ります。」 「あらお夕飯でも食べていっていったら?」 女の子なんて連れてこない手塚なので彩菜はを引きとめようとします。 「でも今日は手塚の誕生日ですから家族水入らずの方がいいかと思って。」 「。遠慮する事はないぞ。」 「(あ、また戻ってる。)でもね、遅くなる事言ってないから。」 「また遊びに来て下さいね。」 「はい。ありがとうございます。でさ、手塚駅まで案内してくれない?どうもわかんなくてさ。」 「あぁ。構わない。では、行ってきます。」 そして駅についた。 「ありがとね。手塚送ってもらっちゃって。」 「いや、こちらこそありがとう。」 「お、そうだ。手塚私からもう1個プレゼントあげるよ。」 は少し背伸びをして手塚の唇にキスをした。 「!!//////」 「へへっ。今日は誕生日だから特別ね♪じゃあまた明日ねー。」 は少し赤くなりながら走っていってしまった。 「・・・・・はさっき俺がしようとしたことをわかったんだろうか・・・・。」 さてそれはにしかわかりませんね。 何にしても手塚HAPPY BIRTHDAY!!! BACK NEXT |