ドーンと祝うぜ! (2)


そして桃の誕生日…既に夏休みだがテニス部は全国に向けて練習だ。

「桃城先輩お誕生日おめでとうございます。」

「桃城くん!これ一生懸命作ったの!食べてね。」

「おっ。さんきゅー。」

部室の前では桃が何人かからプレゼントをもらっている。

「桃おはよー。」

「あ、先輩。おはようございます。」

少し期待の眼差しで見てきた桃に気づいたはニッコリ笑って言った。

「桃、帰り一緒に帰ろうね♪」

「ハイ!」

の一言で浮かれた桃は手塚に何度もグラウンドを走らされたのだった(笑)







「…先輩すごい荷物っスね…何か自転車に乗せますよ。」

「じゃあこれだけ…。さぁ桃の家行こ!」

一番安全なハッピとうちわを桃に渡した。

先輩…俺の家行くんスか?」

「そうだよ〜?」

「事前に言ってくれたら部屋片づけたんスけど…。」

「私も手伝うってば。桃の誕生日だから桃の家行きたいの。」

そんな言葉を好きな人から笑って言われたらそりゃあダメとは言えませんよね。







「うわ〜…何ていうか…男の部屋って感じだね(苦笑)」

「…と、とりあえず座る場所確保するっス。」

とりあえず散らかっていた物を押し入れの中に押し込んで何とか座れる状況を作った桃。

「じゃあ早速プレゼント〜。はい。」

「何かすごいいいニオイがするんスけど…これ何スか?」

「へへー。じゃーんケーキだよーん。」

が持っていた箱を開けると中には数種類のケーキが所狭しと入っていた。

「おーすごいっス!これもしかして全部食べていいんスか?」

「どーぞ。桃のために一生懸命作ったのvv」

「じゃあ遠慮なくいただきます!」

部活の後でお腹が減っていたのか桃はぱくぱくたいらげていく。

「桃そんなに一気に食べたらお腹痛くなるよ?」

「平気っスよ。さっぱりしててどんどんいけるっス!」

「そう?よかった〜。」

はぱくぱくとケーキを食べる桃をニコニコしながら見ていた。

先輩?俺の顔になんかついてます?」

「ううん。」

「あ、やっぱ先輩も食べたいとか?」

「お家帰ればあるから全部食べていいよ。」

「…何か嬉しそうっスね。」

「桃って本当においしいって顔して食べてくれるなぁと思って。」

「?このケーキ普通においしいっスよ?」

桃はの言ってる事がよくわからず首をひねった。

「桃の美味しいって顔には嘘がない気がするんだもん。」

「そうっスか?」

「そ。だからねーすんごくうれしいのvv」

そう言ってはニッコリと桃に笑いかけた。

「何か照れるっスね。そんな事言われると。」

お互いに笑い、いい雰囲気になりそう……だが、はもう1つのプレゼントを忘れていたのに気づいた。

「桃桃。私もう1個プレゼントあったんだったよ。」

「え、まだあるんスか?」

「こっちのがメインだったのにすっかり忘れてたよ。はい。」

桃が袋を開けると青いハッピとうちわが出てきた。

「ハッピ…もしかして先輩の手作りなんスか?」

「ピンポーン。ねぇねぇちょっと着てみて着てみて。」

制服の上から桃がはっぴを羽織ると…さすがお祭男。見事に着こなしている。

「おっ結構ピッタリっス。」

「本当?よかったー。でね、お願いがあるの。」

「お願いっスか…?」

からのお願いという事で少なからず期待に胸を膨らませる桃。

「あのね、そのハッピ全国で着て欲しいの♪」

「(…期待した俺がバカだった…)」

「桃?」

「え、あ、もちろんっスよ!うちわも何か先輩らしいっスよね。」

「そうかな?でもね、うちわは絶対桃書くって決めてたんだ〜。」

「俺丁度うちわ欲しかったんスよ!」

「本当?そりゃよかった。」

ニッコリ笑ったの目にふとあるものが止まり、今度はニヤリと笑みを浮かべた。

「ねぇねぇ桃。勝負しない?」

「へっ?勝負っスか?」

があれあれと指差したのはダンレボ。

「ダンレボなら負けませんよ!」

「私もリズム感はあるもんね〜。あ、じゃあ負けた方が罰ゲームね!相手の言う事を1つだけ聞くの。」

先輩そんな事言って絶対後悔するっスよー。」

「合宿の二の舞にはなんないも〜ん。」

桃VSダンレボで勝負開始!2人は時間の事を忘れて遊んでいた。







「くやしー!!もうちょいだったのに〜!」

先輩に何聞いてもらおっかなー。」

「苦いのと辛いのと酸っぱいやつは嫌。」

「…いや、乾汁は飲ませないっスよ。そうだなぁやっぱ食べもんがいいっス。」

「えー桃また食べるの〜?」

「今度はひんやりとしたやつがいいっス。」

「じゃあババロアケーキ作ってきてあげるよ♪ただし見つけられたらね。」

「何スか?見つけられたらって。」

「内緒♪じゃあそろそろ帰るね♪」

「ちょっ…先輩!」

「桃なら見つかるって。じゃあお誕生日オメデトv」

はそう言って桃の頬にキスをした。

先輩!?」

「それじゃあまった明日〜。」

はニコニコと手を振って帰って行った。

「//////…そうだ。何か見つけねーと。」

のキスにボーッとしていた桃も『見つけなければいけない物』を探し始めた。

「物ってハッピとうちわしかもらってねぇよな…。」

ハッピを隅々まで見ると…ありましたありました。小さく刺繍された文字が。

「ハハッ。先輩らしいや。」

桃はその文字を見て1人ニヤけていたのだった。





何にしても桃!HAPPY BIRTHDAY!





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