ドーンと祝うぜ!


7月のある日の3年6組。窓際では同じポーズでと英二がだらけている。

「あっついよ〜。授業メンドイよ〜。」

「暑すぎだしまだ部活まで1時間もあるし…」

「2人共さっきからそればっかりだね♪」

「…あー!思い出した!英二!」

「え!?何?」

急にぐるんとに振り返られ驚く英二。

「あのね〜?ちょっとお願いがあるんだけど…。」

「?何々〜?」

「ここじゃあれだから…部室行かない?」

「え…う…うん。」

英二が恐々と不二の方を見るといつもの笑顔のままだった。

「じゃあ周助あとよろしくね?」

「はいはい。」

ひらひらと不二に手を振ってと英二は部室に向かった。







〜。部室で何やんの?」

「えっと…上脱いでくれる?」

「えぇぇ!?!?何するつもり!?」

「え?測るつもり?」

英二の言葉にまで驚いて英二にメジャーを見せた。

「何だ。メジャーね…。」

「どうしたの?英二?」

「何でもないです…。」

多少なりとも期待してしまった英二はしゅるしゅると沈んでしまった。

〜。一体何でまた俺の事測りたいわけ?」

「もうすぐ桃の誕生日でしょ?」

「うん?」

「でね、桃にハッピを作ってあげようかなぁなんて思ってるの♪」

「ハッピかぁ…けど何でハッピ?」

「お祭り男だからvv」

「ん?でもさ、それでどうして俺を測るわけ?」

「乾に聞いたら身長は英二が1番近いって教えてくれたの。」

は英二の胸囲や色んな所を測りながら英二に説明します。

「なるほど。でもってハッピ作った事あんの?」

「ないよ♪」

メモ帳に寸法を書き込みながらは笑顔で答えた。

「えーけどそんなんでヘーキなわけー?」

「ヘーキヘーキ!んでもちょっと思った。」

「?」

「英二ってわりかし華奢にも見えるけど結構筋肉ついてるね〜。」

は英二を上から下まで見て言った。

「そ…そう?」

「うん。カッコイーよvv」

「…(こんな殺し文句っぽいの言われたら…)!」

「なぁに?」

「俺…が…。」

の肩をつかみ必死で次の言葉を言おうとする英二…。

「?」

「俺の事…。」

とその時…ガチャッ

「チーッス!」

「「桃!?」」

いきなりの桃の登場に別々の意味で慌てる2人。

「も…桃…オハヨー!」

先輩…朝練でも会ったじゃないスか。しかもエージ先輩、何先輩の肩抱いてんスか?」

「ま…まだ何もやってないから!」

「へぇ…まだって事は何かするつもりだったんだ♪(黒オーラ)」

「…不二!?」

「せっかく僕が言い訳しといてあげたのに英二はそんな事しようとしてたんだ。(ニッコリ)」

「うぅ…。」

やっぱりちょっと怒ってた不二の睨みに英二はタジタジ…。

「エージ先輩何かやったんスか?」

「さぁ…?」

された張本人のは全くもって気づいてない様子。

「英二、特訓してあげるから覚悟してね?」

「…(覚悟なんかしたくないんだけど〜(泣))」

にも気づかれず不二の猛特訓で英二は散々な目にあったのだった。







そして部活終了後…

「リョーマー。はいどうぞ。」

「…どういう風の吹き回しっスか?」

「?リョーマにファンタあげる。」

「いつも炭酸は飲むなって言うくせに。」

生意気な事を言いながらも素直にからもらったファンタを飲むリョーマ。

「でねリョーマ。一緒に帰ろう?」

「めずらしいっスね、先輩から誘ってくるなんて。」

「付き合って欲しい所があるの♪」

「…どこっスか?」

「内緒♪」

どことなく嫌な予感がするリョーマだがの頼みなど断れるはずもないわけで…。

「(ふぅ…俺もまだまだだね。)」







そしてリョーマとが着いた所は某有名布屋さん。

「…先輩…ここって…。」

「今日ねー桃にあげるプレゼント選びに来たんだけど…。」

「桃先輩ってもうすぐ誕生日なんスか?」

「あれ?リョーマ知らなかったの?」

「…何かそんな事言ってたような気もするっス。」

「でね、桃にハッピ作ってあげようと思うの。」

「ハッピっスか?」

「でね、色をどうしようかなぁと思ってリョーマいつも桃と一緒にいるからさ…。」

一緒に選んでくれる?と顔を覗き込んで言われてリョーマが断れるはずもなく…

「…本当先輩まだまだだね。」

「ありがとvv」

さすが某有名布屋さん。種類が豊富過ぎて中々決まらない。

「やっぱさぁ青かな?」

「でも桃先輩の好きな色って赤なんじゃないスか?」

「そうなんだけどね、ほら全国でも着てくれれば青かな〜?と思ったの。」

「なるほど…いいんじゃないスか?」

「じゃあ字の色は?」

「白がいいと思うっス。」

「なるほど。白ね。」

は青い布と白い布を買ってある事を思いついた。

「ねぇリョーマ。ハッピと言ったらうちわじゃない?」

「うちわっスか?」

「そうそう。うちわ。」

がちょいちょいと指差した先には『手作りうちわキット』という文字が…。

「リョーマにも作ってあげようか?」

「お揃いはカンベンっス。」

「あら?バレた?」

「お揃いじゃないなら欲しいっスね先輩の手作り。」

「よし。じゃあがんばるか。あ、リョーマ今度ちゃんと御礼持ってくね♪」

「期待してるっス。」

リョーマはのお礼とうちわの事で桃の誕生日などすっかり忘れてしまっていたのだった。





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