いらっしゃいませ (2)


「「「「「…アハハハハハ!!」」」」」

「笑うな!!」

文化祭当日。テニス部喫茶は手塚のせい(お陰)で笑いに溢れてます。

「しっかし…周助は似合うね〜…。」

「そんなに感心されても嬉しくないよ?(ニッコリ)」

「やっぱり私の人選は間違ってなかったわ!ねぇ乾?」

「…。ごまかさないで早く着替えてきた方がいいぞ。」

「うっ!」

「そーだよー。早く着替えて来てよ。」

男4人のカッコは紺色のメイド服。頭にはレースのついたカチューシャ。首にはチョーカーもつけています。

先輩、許可証貼るのってこっちでいいんスか?」

「あ、うん。そう。ドアの所に縦に3つ並べてね。」

ウエイターは黒のズボンに白のワイシャツ。黒いぴっちりとしたエプロンに蝶ネクタイです。

先輩。観念した方がいいっスよ。」

「…わかったよぉ〜…。んじゃ着替えてくる。あ、周助。その間にあそこで凹んでる手塚何とかしといてね。」

は教室の端でがっくり肩を落としてる手塚を指差します。

「わかったから早く着替えてきてね♪」

「…わかりましたぁ〜…。」

はしぶしぶトボトボと着替えに行きました。





10分後…





「「「「「「…………。」」」」」」

「…何か言ってよ〜。」

可愛いーー!!」

「うわぁ!」

女装した英二が抱き着いてきます。

「さすが姉さん♪」

「……。」

「ふむ……(カキカキ)」

「………」

の衣装は男ver.とは色も形も違い、ボタンを少し広く開け、白いフワッとした胸まであるエプロンをつけ、
膝上までの靴下をはいています。首のチョーカーは全員お揃いです。

「…すごい恥ずかしいんだけど…。」

「大丈夫だよ。似合ってるから♪」

「…そう?」

が首を傾げ再度尋ねるとレギュラー陣はこくこくと頷きます。

「…ねぇ手塚。」

「何だ?」

「…ホントにその髪形で出てもいいの?」

「…!?」

右に流れている髪の毛をゴムで結ばれている手塚。

「…不二。」

「似合うと思ったんだけどなぁ?」

「結ぶよりピンで止めた方がいいんじゃない?」

はポーチからピンを出し手塚の髪形を修正します。

「…っていうか…手塚はあれでよく納得したよにゃ…。」

「何の疑問も持ってないっぽかったっスよね…。」

「…今日はいいデータがよく取れるな…。」





文化祭が始まり午前中はレギュラー陣のファンのお陰で大盛況。
ピークを過ぎ去ったお昼頃…よく見知った顔が青学内にきていました。

「…で?どこなんだよ。場所は。」

「…zzz」

「今探してるんやって。」

違う所にもいます。

「お。あれ美味そうじゃん!」

「いや…店がショボイぜよ。」

「…行くなら早く行こうぜ。」

あ、さらに違う場所でも。

「早く早く!じゃないと売り切れちゃうじゃない。」

「喫茶店だから大丈夫だって…。」

1人で来てらっしゃる方も…。

「相変わらずここの女の子は可愛い子が多いなー。」





ガラガラガラ。

「いらっしゃいま…!!!」

「!?」

ガラガラガラ!客を迎えた手塚は反射的にドアをまた閉めます。

「もー手塚!何で閉めちゃうの。」

「…いや…その…。」

代わりにがドアを開けるとそこには…?

「景吾と侑士にジロちゃん?」

。約束通り遊びに来たで。」

「…えー何々?ちゃん?」

の声に反応してジローが起きてきました。

「…景吾?どうしたの?」

「…今ものすごく恐ろしい物を見たぜ…。」

「?…まぁとりあえず入って入って。」

「げ!氷帝!!」

「英二!そんな風に言わないの。」

「…はーい。」

「…。一体これは何の喫茶店なんだ?」

「女装喫茶♪」

「「!!」」

ちゃん可愛E〜!」

「ありがとvv」

跡部も忍足も固まっていますがジローだけはマイペース。

、ちょっとアレ。何とかしてくれない?」

「何?」

不二が指差す方を見ると…手塚が物陰に隠れています。

「手塚ー!ちゃんと仕事しなさい!」

「断る!」

「ダメだってばー!お客さん来てるのに!」

「いや、俺はに接客して欲しいんやけど…。」

「えーだってここ女装喫茶なのに?」

が遊びに来いって言うから来てやったんだぜ?アーン?」

「せっかくなんだから手塚に接客させるよ〜。」

「いやいや、だからな…」

忍足が説明しようとしてもは聞く耳持ちません。

「周助、手塚引っ張り出して景吾達の注文取らせて。」

「はいはい。ほら手塚。も言ってるんだから♪」

無理やり引っ張り出され…渋々仕事をする手塚。

「…手塚。テメーよく許可したな。」

「不可抗力だ。」

と、そこへ新たな…よく見知ったお客さんがやってきました。

!約束通りに来たぜー。」

「ブンちゃん!」

立海大登場!ブン太と仁王とジャッカルです。

「げ!今度は立海!?」

「英二!」

「…。一体何なんだ?この喫茶店。」

「女装喫茶♪皆可愛いでしょ〜?」

「あぁ…まぁ…は可愛いけど…。

ブン太は赤くなりながらぼそぼそ呟きます。

「仁王くんもジャッカルくんもいらっしゃい♪」

「プリッ」

「…。」

ジャッカルは2人のお守りで既に疲れています。

ちゃん!ちょっといいかな?」

「はーい。英二、案内!」

「へいへい。こちらにどーぞ。」

は大石に呼ばれ厨房の中。

「っつーかお前らよくやるよな…そんなカッコ。」

「しょーがないじゃん。がやるって言うんだから。」

「別にお前らに興味ないからいいけど。!」

ブン太は英二を無視して厨房のを呼びます。

「何〜?」

「こん中でオススメって何?」

「オススメ?えーっとね…。」

「このスペシャルは何なん?」

「スペシャル?何だろこれ…。」

ブン太と仁王がを構うので喫茶には冷たい空気が…。

「…お前ら…少しは周りを見ろよ。」

「ちゃんと見てるだろ。…ジャッカルが。」

「俺かよ!…はぁ…。」

ジャッカルの様子を見た英二はオーダーを叫びました。

「三番テーブル胃薬一つ〜。」

「「「は!?」」」

ちなみに胃薬は大石仕様。


やっぱりどこの学校にも胃薬にお世話になる奴がいるのです…。





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