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| 「うっひゃーまたスゲー体格差。おチビの奴大丈夫かー?」 コート上では約30cmぐらい差があるだろう2人が睨み合っている。 「城成湘南神城玲治。彼のデータは不足している。一体どんなプレーなのか…。」 「………リョーマ大丈夫かなぁ…。」 さっきは華村に対して強気に出たが、直前になると不安が募ってきてしまう。 「(……よし!)……青学ーー!」 「「「「!?」」」」 「S・E・I・G・A・K You can say!Hey!青学!Hey! 青学Let's Go!S・E・I・G・A・K You can do!Yeah!」 「青学!Hey!青学Let's Go!」 青学応援歌『Keep on Dreaming』を歌い出したに英二が続き、2年生達も続く。 「Are you ready?」 「Yeah!青学!Let's Go!」 「ん…?」 不思議そうにコートの中から達を見るリョーマ。 「青学ー!ファイトー!!」 『ザベストオブ1セットマッチ神城トゥサーブ!』 何の変哲もないサーブにリョーマは次々とポイントを奪っていく。 「つまんねぇーの。」 「…こんなものか…。」 リョーマが楽々2ゲーム先取した後の2ポイント目からなぜか立て続けにポイントを落としてしまう。 「もー何やってんだよおチビー。」 「何でもないサーブだったのに…。」 「彼のフォーム…全部同じフォームだよ。」 「同じ?それどういう意味?周助。」 全然わからないというようにが不二を見る。 「彼は全く同じフォームから重い球と軽い球の打ち分けが自在にできるみたいだ。」 「全く同じフォームから!?」 「つまり全く同じフォームなために越前は重い球と軽い球の判断ができないってわけか…。」 「一癖あるヤローだと思っていたがとんでもねーな。」 「でも次はおチビのサーブだ。」 「さっきのサーブの球質をコントロールする技は使えないって事か…。」 だがその技―ミラージュ―はサーブだけではなかった。神城はストロークの ミラージュを使いあっという間に2ゲームを取って追いついてきた。 「へぇー結構器用な事してくれるじゃない。」 リョーマは楽しそうにニヤリと笑った。 「インパクトしてから力を加減しようとしたんでは間に合わない。」 「またすごいモンスターが現れたものだね…。」 「大丈夫。モンスター度ならリョーマも負けてないじゃん…ね?」 「クスッそうだね♪」 また1ゲーム取られたものの、ツイストの連打で3−3のタイ。 「アンタもコーチも……まだまだだね。」 「!」 その一言で神城の目つき……そして構えも変化した。 「玲治!ダメよ、その技は!!!」 「「「?」」」 神城のサーブはリョーマのラケットを弾き飛ばし、頬を掠めていった。 「リョーマ!!」 「あんな技は神城玲治のデータになかったな…。」 「何で出し惜しみしてたんだろう。」 「出し惜しみじゃなくて……出せなかったんじゃないの?」 ホラ、というように華村の方を指差すと…何だか華村の顔が険しい…。 「さーて…面白くなって来た。」 「全くお前さんは…。気をつけるんだよ。」 竜崎の忠告にも耳を貸さず楽しそうに神城の方を見つけた。 「あ、またあの構え!」 警戒していたのだが、リョーマはまたも顔に傷をつけられてしまう。 「まるでおチビを狙うように飛んできたよ。」 「顔面を狙うという意味ではあれは越前のツイストサーブ以上だ。」 「ヤロウ…何てサーブ打ちやがんだ…。」 「痛そう…。」 「相手に擦過傷を与えるのが目的に見えるけど…。」 サーブだけではないその技―ディープインパルス―は擦過傷を与える事で 相手の体に恐怖を染み込ませ戦意を失わせていく…。 『ゲーム神城!4−3!』 だが続く第8ゲーム、リョーマはついにディープインパルスを返した。 「サーブ&ボレー…。」 「越前の奴考えたな…。あれなら相手に大きな負荷を与える事ができる。」 「つまりカウンターテニスってわけだね。」 そこから2ゲーム連取しついに5−4と逆転し、両者の長いラリーを両校が無言で見つめている。 「リョーマ…頑張れ…。」 『デュース!』 「(くる…!)」 神城はここにきてディープインパルスとミラージュを織り交ぜてきた。 「無茶だ越前!ミラージュで重くなったボールをカウンターで返すなんて!!」 「どこまで身長差をカバーできるか…。」 「リストにかかる負荷は越前の方がずっと重く感じるって事か。」 「スタッタードステップであのデッドボールもどきをどうにか制御てきたが後はどう反撃に持っていくかだ…。」 するとリョーマは何とディープインパルスを神城に向かって打った… …その証拠に神城の右頬には1本の傷痕……。 『アドバンテージ青学越前!』 「越前の奴神城に傷を負わしたぞ。」 「越前すごいパワーだ…。」 「神城に傷を与えたのは神城のボールだよ。」 「え、どーいう事?」 「越前は神城の力を利用しているにすぎない。ゲームを重ねてここにきてとうとうそのタイミングをつかんだって事だと思う。 どうすれば神城の重い球を自分に負担をかけずに捌けるか。…全くとんでもない奴だよ…越前は。」 取って取られてを繰り返し4度目のデュース…。そしてついに…! 『ゲーム&マッチ青学越前!6−4!!』 BACK NEXT |