準決勝進出!


「勝ったー勝ったー!リョーマすごーい!…じゃない!リョーマこっちきて!!」

勝利の喜びつかの間。はリョーマを引っ張って来て救急箱を広げる。

「…イテテ!先輩もうちょっと優しくして下さいよ。」

「あんな危ない技に立ち向かっていくんだから。ガマンしなさい。」

「ちぇ。」

「でもすごかったよ。」

テキパキと傷の手当てをしながらは嬉しそうに言った。

「一瞬だけ不安になっちゃったけどね。」

「…まだまだだね。だから歌ったんスか?」

「あぁ…あれ?自分に気合いいれようと思って…。」

その時の事を思い出して恥ずかしそうに顔を赤くする

「でも可愛かったっスよ。」

「もー!リョーマってばからかわないでよ!」

2人の世界に入りかけてるとリョーマを羨ましそうに見ているレギュラー陣。

「不二…少し落ち着け。」

「え?物凄く落ち着いてるけど?(開眼)」

「「「(怖っ!)」」」

そこへやってきた城成湘南中部長の梶本。

「どうも、部長の梶本です。」

「部長代理の大石です。」

お互いに爽やかに笑って握手を交わす。

「ベスト4進出おめでとう。」

「ありがとう。」

「ところでS1の人は?」

「僕だよ。」

とリョーマの姿を見てものすごくご機嫌ナナメの青学の天才。

「今日は越前に色々持っていかれちゃったけどね。」

「君の噂は聞いているよ。S1まで回れば戦えたんだけどね…残念だよ。」

「お互いにね。」

こちらも握手を交わすのだが…不二が突然開眼した。

ちゃん、今度どっか遊びに行かない?」

「嫌です。」

若人が諦めずに声をかけているがは聞く耳持たない。

「そうだなぁ〜…じゃあ友達になろうよ?」

「…友達?」

知ってか知らずかの弱い所をついてきた若人。

「友達なら…」

!」

「どうしたの?周助。じゃあまたね若人くん。」

不二に呼ばれたはトコトコと不二の方に走って行く。

「梶本、君の所の部員なんだからちゃんと躾けておいた方がいいんじゃない?(ニッコリ)」

「あ…あぁ。じゃあ準決勝頑張ってくれ。」

この時梶本は心底不二と戦わなくてよかったと思ったのだった。

「周助、何か用?」

「ううん、何でもないよ。」

「えー!!」







青学テニス部にはお馴染みの河村寿司。入口には『本日貸し切り』の札が。

「皆ー腹ぺこかい?」

「「「イェーイ!!」」」

「うっひょー特上だぜー。」

「おいしそーvv」

竜崎の話もそこそこに食べ始めるレギュラー陣。

「うめーうめー!」

「桃先輩食べ過ぎっスよ。」

「あなごあなごー!」

「こんな大盛りのいくら初めてだぜー。」

「ちょーっと待った!!」

大口を開けて食べようとする桃に河村がストップをかけた。

「ん?何スか。タカさん。」

「忘れたのか?負けた奴はわさび寿司だよ。」

「いいなぁ…。」

「そんな事言えるの周助だけだよ…。」

「当然乾もだよな。」

大石に話を振られた乾はヒクヒクと顔を引き攣らせた。

「や…やむおえん…。」

「待って下さいよ。俺は被害者っスよー?元はといえば乾先輩がー。」

「もー見苦しいぞ桃ー大人しく食っとけってー。」

「えー。おい越前、お前からも何とか言ってくれよ。」

「まだまだだね。」

「なっ……先ぱ〜い。」

桃は唯一止めてくれそうなの方を見るがも苦笑い…。

「残念だけど…最初に約束しちゃったからね…。」

「そんなぁ〜。」

「さぁ!!」

「さぁ!!」

「さぁー!」

「「「さぁーー!!」」」

大石と英二とタカさんがわさび寿司を持ってD2の2人を追いつめる。

「やだーわさびやだーー!!!」



「「ギャーーーー」」



その日の夕方、河村寿司の近所にはけたたましい叫び声が響き渡ったのだった。





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