閏日の魔王様 (2) |
「・・・・・形難しい〜。」 「ってかそんなの選ぶからだって。」 「でも決めたもんは決めたの!」 ここは英二の部屋。勉強そっちのけではさみと格闘中。 「でもだいじょぶ〜?間に合うの?」 「間に合わせる!クリスマス前もこんな感じだったし。ヘーキヘーキ。」 「でも無理はしちゃダメだよ〜。」 「了解でっす!」 と、時間を見るとそろそろ帰らないとご飯の時間に間に合いませんね〜。 「もう帰んなきゃ。今日はありがとね。英二。」 「じゃあ俺にもアップルパイよろしくねん。」 「はいはい。余ったらね♪」 は大五郎をジーッと見て目に焼き付けるかのように見つめ手を振って帰っていった。 「・・・・・本当は応援したくないけどさ。のためだし…。」 そう自分に言い聞かせる人がいい英二だった。 「だから、ここがX=2でしょ?」 「え〜どうして〜。」 「ほら、ここで平方完成して、出るでしょ?」 「あ、そっか。」 今度は不二の部屋。必死に必死に勉強中。 「数学難しい〜。もうヤダ〜〜〜。」 「そんな事言ってたら進まないでしょ。」 「周助自分の勉強はいいの〜?」 「それよりもが追試になったら困るでしょ?」 「周助〜。」 なんだかジーンときちゃう。けれどあまり遅くまで勉強はしてられません。 「でも周助〜もう12時だよ。寝なきゃ〜。」 「もう眠いの?」 「・・・・・ネムーイ。」 「じゃあまた明日にしようか。明日は問題集終わらせるからね♪」 「うっ・・・・・わかりました〜〜〜〜。」 そして急いで自分の部屋に帰った。裁縫箱を取り出して…糸と格闘中。 「…難しー…。でもがんばんなきゃ。」 その日は結局あまり進まないで終わったのでした。 そして2月28日。 「……………zzzz」 「よく寝てるなぁ〜。」 「昨日も徹夜直前だったらしいわよ。」 「テストもあるから大変だよなぁ〜…。」 「そういえば不二くんは?」 「呼び出し〜今度は屋上だって。」 「………にょ?あれ〜?今何時間目?」 「今3、4の間よ。」 「うっそー。私部室行って来る!」 「部室〜?まだ終わってないの?」 「もうちょい。あとうーん1匹半かな?」 「結構残ってんじゃん。だいじょぶにゃの?」 「ヘーキヘーキ。だから保健室で寝てるって言っておいて。」 「はいはい。行ってらっしゃい。」 は机の横にある鞄を引っつかんで走って行ってしまった。 「あれ?どうかしたの?」 ちょうどと入れ代わりに不二が戻って来た。 「なら保健室に行ったわよ。」 「ふーん…そうなんだ。(開眼)」 「(絶対不二の奴気づいてる気がする…。)」 放課後…は英二をつれてあるお店に来ていました。 「〜結局終わったの?」 「とりあえず作り終わったけどね。」 「まだ何か作んの?」 「あとはアップルパイ焼くだけ〜。それよりも選ばなきゃ。」 「俺も買うの〜?」 「だって英二周助からまたたびもらったじゃん。」 「…俺が本当に使ったと思う?」 「……実際の所どうなの?」 「使うわけない〜!」 「そりゃそうだよね♪さ、選ばなきゃね。割り勘は冗談だから〜。」 「何だ。」 は1つ1つ手に取ってじっと見ています。 「あ、。これいいんじゃない?小さいし。」 「本当だ〜。よし、これにしよ。」 さぁ、最後の物も買いお家へ帰りましょう。 「じゃあ、いちお頑張れー。」 「ありがと。今度何か奢るからさ。じゃあね〜。」 が去って行った後英二はまた1人つぶやいた。 「…俺も相当に甘い…。」 さて、所変わってここは不二の家。 「『周助厳禁』…姉さんまで何やってるの?」 「ちゃんにこうしておいてって言われたのよ。」 「は?まだ帰ってきてないよね?」 「そろそろ帰ってくるはずよ。」 由美子がそういうのと同時にがバタバタバタッと帰ってきた。 「おかえり♪」 「あ、ただいま〜。」 ドタドタドタッ。は急いで2階に行きまたダッシュで降りてきた。 「、また入れてくれないの?」 「今日は周助の誕生日なんだから大人しく待ってなさい!」 にびっと指をつきつけられて結局何をやっているかわからずじまい。 「あらちゃんお帰りなさい。」 「ただいまです!」 「パイの方はもう材料混ぜるだけの所まで準備しておいたわよ。」 「ありがとうございます!よっしゃー!がんばるぞーーー!!!」 は腕まくりをしてアップルパイにとりかかった。 BACK NEXT |