第55章 おかえり


「あ、お帰りー。」

「あれ、ちゃん?!山から帰ってきてたのかい?」

「うん。リョーマと会場の下見行ってきたんだ。」

「へ〜。会場はどうだった?」

「大きくてスゴかったー!あ、大石の方は組み合わせどーだったの?」

そう。大石は部長代理として組み合わせの抽選会場に行っていたのだ。

「1回戦はByeだったよ。」

「そっかー。大石いいトコ引いたじゃん。」

「いや…それがアイツが引いてくれたんだ。」

「…アイツって…。」

「帰ってきたんだ。九州から。」

「!!」

大石に遅れて部室に入ってきたのは…九州から帰って来たアイツ。

「手塚!!」

、久しぶりだな。」

「手塚だー!!お帰りー!おかえりおかえり!」

は手塚に飛びついてぎゅーっと抱きつく。

「今日帰ってくるなんて知らなかったー。メールしてくれればよかったのに。」

「…いや、メールはしたんだが…。」

「えっ!?」

慌ててポケットのケータイを見ると新着メッセージが何通かたまっている。

「あわわ…圏外の所にいたから確認する癖がなくなってた…ゴメンね。」

「いや。」

「でもホントに久しぶりだねー。ホンモノの手塚だー。」

「…ニセモノがいるのか?」

「アハハ、違うよー。ホントに帰ってきたんだなーって嬉しくてさ。」

はニコニコと笑いながら本当に嬉しそうだ。」

「ホントにお帰り!」

「あぁ…ただいま。」

ー。俺にお帰りはー?」

「「!?」」

急に手塚の後ろから声がし、振り返るとそこには山篭り組の4人が。

「あれ?皆帰ってきたの?」

「さっきにメール送ったんだけど?」

「ゴメーン。山下りてから全然見てないんだよねー。」

「じゃあ!俺にもお帰りは?」

「?おかえり英二。」

「そーじゃなくって!!」

両手を広げ英二はキラキラとした目でを見る。

「手塚ばっかズルイー!ー俺のトコにも!」

「手塚もさりげなくの肩抱いたままだしね♪」

「スミに置けないっスよ〜部長。」

不二と桃から言われ、パッと手を離す手塚。少し顔が赤いです。

「だって手塚は久し振りだもん。英二は今日の朝も会ったでしょー?」

「えー。」

「じゃあ英二と手塚がぎゅーってする?」

「「カンベンして(くれ)!」」

「もー冗談だってば〜。」

はケラケラと笑うが話を振られた2人は顔が青ざめている。

、こんな所にいたのか。竜崎先生が探してたぞ。」

「あ、ホントー?じゃあちょっと行ってくるねー。ありがと乾!」

「あぁ。」

が行こうとすると手塚がパッとの腕を掴んだ。

「手塚?」

「俺も一緒に行こう。」

「あ、そっかー。先生に報告する事あるもんね。じゃあ一緒に行こー♪」

「大石、すぐ戻る。」

「あ、あぁ…。」

そして2人は仲良く…(?)職員室に向かった。





で、残されたレギュラー陣は??

「…帰って来たばかりなのに…さすがだな、手塚。」

「久しぶりだからってズルすぎ!」

「まぁまぁ英二…手塚が久しぶりなのは本当じゃないか。」

「そんな事言ってていいのかい?大石。」

「え?」

黒い笑みを向けられた大石は一瞬ひるんだ。

「久しぶりだろうが何だろうが遠慮してると…出番なくなるよ?」

「…ご忠告ありがとう…。」

今日も大石には胃薬がかかせません。





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