第43章 決勝直前!


「・・・・?どうしたの?」

「・・・キンチョーしてるの。」

決勝まで後少し。向こうの方では歓声が聞こえコンソレーションが終わった模様。

先輩大丈夫っスか?顔青いっスよ。」

「・・・ちょっと散歩してこようかな。」

、本当に大丈夫?」

「だいじょーぶ・・・だいじょーぶ・・・だいじょーぶ・・・

はふらふらと危ない足取りで散歩に出かけて行った。

「・・・全然大丈夫じゃないじゃん。」

「おチビ〜にゃんか知らない?」

「・・・別に知らないっス。」

先輩お前おっかけて買出しに行ってから変なんだよ。」

「そうそう、いつもはキビキビしてるのに妙にボーっとしたり。」

決勝直前の練習でもしっかり皆さんの様子は目に入っています。

「けど、まぁの事だからちゃんと帰ってくるよ♪(ニッコリ)」

「そうだといいんだけどなぁ〜・・・。」

「この会場は他校生だらけだからな・・・会う確率98.5%・・・。」

「ふしゅぅ〜・・・。」

乾の予想は当たっているのか否か・・・。どっちにしてもが心配なレギュラー陣だった。







がボーっと歩いていると前をよく見ていなかったせいか何かにぶつかってしまった。

「あてっ!」

「自分どこ見て歩いてるん?・・・ってやないか。」

「あ、侑士。に、氷帝の皆。」

「くそくそ!俺達はついでかよ。」

「がっくん、久しぶり〜。」

、こんな所にいてええんか?もうすぐ決勝やろ?」

「あ〜・・・うん・・・。」

忍足に言われはまた考えるように下を向いてしまった。

「大丈夫か?何か顔色悪いぜ。」

「だいじょーぶだよ。ちょっとキンチョーしてるだけ。」

「何でお前がキンチョーしてるんだよ・・・激ダサだな。」

「む。」

宍戸に言われはプーッとほおを膨らませる。

「「「(何か可愛い・・・。)」」」

「あれ?そういえば景吾いないね。一緒じゃないの?」

「・・・跡部なら俺らと一緒には来てへんで。樺地もな。」

「ふーん。まぁ、いいけど。ちゃんと青学応援してね。じゃあね〜。」

「え・・・さん。まだ戻らなくていいんですか?」

元来た道ではなく、まだ前に進もうとするを見て長太郎が尋ねた。

「もーちょっとフラフラしてくる。キンチョーほぐすためにね。」

「さよか。気をつけてな。」

「うん。バイバイ♪」

は少し元気になって氷帝に手を振りまた歩き始めた。







「あれ?確か君・・・ちゃん?」

「?あ、えっと六角の・・・。」

「佐伯だよ。」

「今日は決勝見に来たの?」

「もちろん。全国でまた戦うかもしれないしね。」

ニッコリと、どこか不二の様な笑みで佐伯はに笑いかけます。

「あ、お笑いコンビの2人も見に来たんだ。こんにちは。」

「あのさ、俺達お笑いコンビじゃないんだけど。」

「え、違うの!?」

はちょっと本当にびっくりしています。

さん!こんにちは!六角の部長葵剣太郎です!」

「あぁ・・・薫ちゃんと戦った・・・。いつも元気だね。」

剣太郎のハイテンションには微妙に引き気味。

ちゃん、そろそろ決勝の時間じゃないの?」

「んー・・・ちょっと散歩かな?」

の微妙な笑い方にピンと来た佐伯はある事を思いついた。

ちゃん、青学の所まで送って行くよ。」

「え、大丈夫だよ〜1人で帰れるってば。」

「サエさん!僕も行く!」

「ダビデ、剣太郎の事抑えといて。」

「うぃ。」

サエは剣太郎をほぼ無視しての手を引いて青学ベンチに向かった。





「あ!帰ってきた!〜〜!!って・・・お前は!」

「佐伯?僕のとどうして一緒にいるのかな?(黒オーラ)」

やっぱり佐伯が来て臨戦態勢になる青学レギュラー陣。

「佐伯くん送ってくれたんだよ。お散歩してたら。」

「それはどうも。さぁ、こっちおいで。」

「あ、うん・・・佐伯くん。ありがとね。」

ちゃんのためならお安い御用だよ。じゃあ、またね。」

爽やかな笑顔をに向けて佐伯は元いた場所に戻って行った。

先輩何もされませんでしたか?」

「ん?だいじょーぶだよ〜。でも他校生たくさんいたよ。」

「それはそうだろうな。決勝だし。」

『ただ今より関東大会決勝戦を行います。両校の選手はコートに整列してください。』

「あ、ほら、召集かかったよ。行ってらっしゃい!」

レギュラー陣は全員とハイタッチをしてコートに行った。

「(・・・俺今回補欠だからな・・・。)」

「・・・タカさん!うちらも一生懸命応援しようね!」

少しうなだれていた河村を見ては河村ともハイタッチを交わす。

「あぁ。おっしゃー燃えるぜバーニング!!」

そして・・・いよいよ決勝戦という運命の扉は開かれたのだった・・・・・・・。





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