第42章 立海大附属の掟


「リョーマ・・・一体・・・あれは何だったの?」

You still have lots more to work on...

「なるへそ。」

赤也はニヤッと笑って言うが、奴の苦手科目は英語である。

「(急になんだ・・・物凄い集中力じゃん。さっきまでの汗が全て引いている。)」

冷静に観察する赤也はリョーマのサーブも難なく返してしまう。が・・・

「ドライブB!?・・・速いっ!?(でも俺の方が速いぜ!!)」

「ようし!!」

「行け!リョーマ!!」

スパッと・・・連続ドライブBでポイントが決まる。

Nobody beats me in tennis.

「・・・・・・・・・・・・。」

もちろん苦手科目が英語の赤也にはわからない。

「『テニスでは誰にも負けない』か・・・頑張れリョーマ・・・。」

「(まさか赤也の充血モードの様な変化が・・・・・・・・・奴にも!?)」

そしてリョーマはスッとラケットを左手に持ち替える。

「やった!リョーマが左手になれば!」

「ククッ・・・バカめ。悪いが赤也はサウスポー対策は・・・」

バシュッ。ボールがキレイに赤也の股下を抜いた。

『40−0・・・』

海堂薫のスネイク、不二裕太のツイストスピンショット、亜久津仁のクロスショット、日吉の演舞テニス

「今までにリョーマと対戦した人の技??」

「(・・・な、何が起こっているんだ。予測の全く出来ない攻撃、そして不規則に変化するプレイスタイル。
信じらんねぇ・・・奴にこんな底力が秘められてたなんて・・・俺が今までやって来たテニスは
ここまでが限界なのかよ!?ちくしょう・・・・・・限界を・・・・・・)・・・越えてぇ・・・。」

バシュッと最後のショットが決まった・・・・





時を同じくして立海大附属のメンバーがテニスクラブに向かっていた。

「大会前に赤也は何考えてんだ!!」

「赤也の目・・・充血してるそうだ。」

「「!」」

「(不動峰戦の時に見せたアレか・・・・・・)」

真田がコートの扉を開けるとリョーマが丁度出てきた。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

リョーマと真田が目が合った瞬間・・・リョーマはボスッと真田に倒れこんだ。

「リョーマ!!」

「お前青学のマネージャーか?」

「リョーマを返してよ。」

「俺は何にもしていない。見てみろ。コイツは寝ているだけだ。」

はリョーマを真田から取り返すとギッと真田を睨みつけた。

「あなたの部活はどういう方針なの!?どういうつもりなのよ!」

「どういう事だ?」

「リョーマの膝!あの切原とかいう奴に・・・!!」

が指さした方向には放心状態の赤也がいた。

「さ、真田っ!!す・・・すまねえ・・・」

パアアーン!出てきたジャッカルを真田は容赦なく殴った。

「!」

「!?」

「ジャッカル・・・お前が付いて居ながら・・・。」

「ちょ・・・ちょっと叩く事は・・・。」

「なぁなぁ。」

リョーマを支えながら立っているのジャージをぐいぐいと引っぱる奴がいた。

「・・・・!?な・・・何?」

「これ食べもんだろ?食ってもええ?」

「え?・・・あ、うん。いいけど・・・。」

ははいっと袋を渡すと赤髪の男の子はニッコリ笑って言った。

「俺立海大附属3年丸井ブン太!シクヨロ〜!」

「あ、えっと・・・・。」

がとまどってコートを見ると真田が赤也に近づいていた。

「赤也・・・赤也っ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・負けちまいました。」

パアアーン!またも真田は容赦なく赤也を殴った。

「・・・くっ!」

「切原君・・・反省したまえ。」

「ウチら立海大附属の成すべきは全国3連覇!けどな。」

「負けはいけないな。」

「プリッ」

「負けてはならんのだ!たとえ草試合だろうとそれが立海大附属だ!!」

は立海大の凄みに少し圧倒されたが、ハッと我に帰った。

「そうだ。帰らないと!」

「1人で大丈夫か?」

「大丈夫です!あんた達なんか・・・絶対皆が倒してやるんだから!覚悟してなさいよ!」

は一気にまくしたて、リョーマを背負ってタクシーを呼びに行った。







ピーンポーン。桃の家に自転車を返しに来た

先輩!?随分遅かったっスね・・・。」

「ゴメンね。遅くなって。自転車ありがと。」

先輩・・・何かあったんスよね?どうしたんスか?」

「大丈夫だよ。ちょっと疲れてるだけだからさ!じゃあまた明日ね?」

はニコニコと手を振って桃城家を後にした・・・。





負けが許されない立海の掟。青学はどう挑むのか・・・運命の決勝まで後3日・・・





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