第37章 関東大会2日目その1


今日は準々決勝と準決勝が両方行われる。なので今は昼食ターイム。

「神尾くんがタイブレークで勝って不動峰が山吹に勝ったって!」

のその知らせを聞いてよきライバル(?)である2人がピクッと反応した。

「ところで乾先輩あの噂本当なんスか?」

「ああ・・・俺たちが次に当たる六角中だがあの氷帝学園との
練習試合において100人斬りをやってのけた男がいるらしいな。」

「1人で100人に勝っちゃったの?すっごー・・・・。」

「その男とんでもなく長いラケットを使うらしい!まだ確認した訳ではないので何ともいえないが単なる噂であってほしいな・・・。」

その時携帯を手に大石が走ってきた。

「おーい!九州にいる手塚から皆にメッセージが届いたぞーーっ!!」

「おおーっ。本当っスか大石部長代理っ!?」

「どれどれ?」

皆がディスプレイを覗き込むとそこにはたった一言。

『油断せず行こう』

「・・・・・・・・・・・・それだけ?」

「いつもと変わらないじゃん。全国行き決めたのに〜っ!!」

「・・・まぁ手塚部長っぽいっスよ。それに『行こう』ってトコが部長も一緒にここで戦ってるって感じがしません?」

「よしっ油断せず行くぞーーーーっ!!」

「「「「「「「「オオーーーーーッ!」」」」」」」」

「そだ。ちょっくら神尾でも冷やかしに行こーぜ越前!あれ越前は?」

「リョーマは昼寝だってさ。桃、私一緒に行く!杏ちゃんに渡し物♪」

は手作りのババロアが入ったかごをぽんぽんと叩く。

「だからそんなに作ってたんスね。」

「そうだよ〜。杏ちゃんの昨日メールしてたら杏ちゃんも食べたいって言うから。」

と桃は不動峰のコートまで話しながら歩いている。

「じゃあ早速いっただきまーす!」

「桃!前!」

「おわっ。」

「おっとワリィ・・・」

桃にぶつかった赤いジャージの2人組み・・・その胸には六角中の文字・・・。

「!六角中っ!?」

「(と・・・とんでもなく長いラケット!?コイツか・・・)」

桃がぶつかった拍子に落としたババロアをその長ラケの男がラケットで難なく拾った。

「ジジイが食ってもババロア・・・・・・・プッ」

「!?」

「バネさんちょっとタンマ!!」

「うるせぇこのダビデがっ!聞き飽きたぜ!・・・ハイ悪ぃ勘弁な。」

「・・・・アハハハハ!面白いね〜。キミ面白い!」

先輩!?」

「ババロア好きなんだね。じゃあハイ。2人にあげるよ。」

と言ってバスケットからババロアを出し2人の手に乗せる。

「私青学マネージャーの!次は悪いけど負けないからね。じゃあ桃行くわよ。」

「え、ちょっと先輩ってばー!」

がバスケットを振り回し走っていってしまい桃も慌ててついていった。

「マネージャーが数えているのは、マネー(money)じゃぁ〜・・・・・プッ。」

「ダビデ・・・いい加減にしろ。」

そしてちょっとの事が気になる2人だった。







ちゃん!わざわざゴメンね〜。あら、モモシロ君も。」

「よっ!」

「あれ、さん。どうしたんですか?」

「あ、神尾くん。おめでと〜!」

黒い中にいる目立つ青いジャージを見つけ神尾がよってきた。

「千石くんにタイブレークで勝ったんだって?すごいじゃん。」

「いや、それほどでも・・・。」

・・・・いいよなぁ〜・・・俺も勝ったのに・・・何で神尾ばっかり目立つわけ・・・・(ブツブツ)

「おわっ。深司。急に出てくるなよ。」

俺だって6−1で勝ったのにさぁ・・・

「深司くん6−1で勝ったんだ。すごいねぇ〜。ハイ差し入れ。」

はバスケットからババロアを出し伊武と神尾に渡す。

「え、これもらっていいんですか?」

「・・・・でもなぁどーせ俺らのために作ったんじゃなくて余りだしなぁ・・・(ボヤきボヤき)

「ところでさん・・・・何で深司は『深司くん』なんスか?」

「え?」

突然突拍子も無い神尾の質問には首をかしげる。

「いや、俺は苗字で深司は名前で呼んでるなって思ったんスよ。」

「ん?特に意味はないんだけどね・・・(ただ単に深司くんの苗字
思い出せないだけなんだけど・・・)神尾くんも『アキラくん』でいいの?」

「そっちの方が全然いいっスよ。」

「じゃあこれからはアキラくんね。したら私もでいいから・・・あ。」

はパッと見えた時計を見て声をあげる。

「どうしたんスか?・・・さん。」

・・・・アキラ・・・早速呼びすぎ・・・・。

「大変!そろそろ戻んなきゃ!桃!そろそろ帰るわよ!」

「え、あ、はい!ちょっと先輩待ってくださいよ〜!」

と桃はあいさつもそこそこにピューッと戻って行ってしまった。

「何かあっという間に行っちゃったな。」

・・・・アキラはいいよな・・・他校受けもいいしさぁ・・・・ブツブツ・・・

「深司・・・・さっきからボヤきすぎだぜ・・・そんなにS3がよかったのかよ・・・・。」

・・・・・・・まぁ勝ったからいいけど・・・・

そしてしばらく延々と伊武のボヤきを聞かされる神尾だった・・・・。





本日2試合目。青学と不動峰は同時に準決勝で千葉と神奈川の強豪に挑むのだった。





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