第35章 The PIECE of Only One


手塚を見送ったの次の日、マネージャーはどこかボーっとしていた。

「何か先輩が元気ないとこっちまで元気なくなってくるっス。」

ちゃんそろそろ休憩時間なんだけど・・・・。」

「・・・えっ!?マジで?ヤバ・・・大石。ちょっと待って。今作ってくるから!」

は大慌てで部室にドリンクを取りに行ってすぐ戻って来た。

「ゴメンゴメン。はい。ドリンク。」

先輩随分早かったっスね。」

「うん。何か用意してあったから。誰か用意してくれたんでしょ?」

がレギュラー陣に尋ねると誰一人首を縦に振らなかった。

「おかしいなぁ〜。じゃあこれ何・・・・?」

・・・これ乾汁じゃん・・・・げ〜まっずー。」

机の上から持ってきたか?」

「?うん。」

「そうか・・・それは『今世紀最恐乾汁SPDXコレクターズエディション』だ。」

「そっか〜。」

はニッコリ笑って納得した。

「・・・・何かやっぱり変。」

「何かしてると平気なのかな?」

「やっぱりちゃん・・・・・手塚がいなくてさびしいのかな?」

「でもタカさん、昨日先輩普通に帰ってきたじゃないスか。」

「夜も普通だったんだろ?不二。」

「そうだね。夕飯の時に少しボーっとしてたけど。」

やはり昨日の見送りが原因か。のあの元気のなさは。

「英二ー。ゴメンね。間違えて持ってきちゃって。ちょっとボーっとしてたのかも。」

「ダメだな〜は。ボーっとしてると手塚に言われるぞ?」

「手塚に・・・・か・・・・・。英二。手塚は今九州だよ。」

さっきまで笑っていたの顔が急に暗くなってしまった。

「英二のバカ。」

「にゃ!?」

「そうだよ英二。ちゃんが元気ない原因わかってたんだろ?」

「あ、そっか・・・・。」

はまたベンチに座ってボーっとし始めてしまった。

・・・・手塚がいなくて寂しいの?」

「周助・・・・寂しいわけじゃないんだよ。何か変な感じなの。」

「変な感じっスか?」

「いつも皆一緒だったのに1人いないだけで何かしっくりこないの。」

はぽつりぽつりと話し始めた。

「ほら、いつも一緒に部活したり試合したり皆で帰ったり遊びに行ったり・・・。」

「確かに俺達いっつも一緒にいる気がする。」

「そうっスね。」

「だから何か1人でもかけると不思議な気がして・・・ちょっとね・・・・。」

「何かジグソーパズルみたいだね。」

「「「ジグソーパズル?」」」

タカさんの発言にレギュラー陣はそろって首をかしげる。

「ジグソーパズルって1つでもピースがないと気になるから似てるなあと思って。」

「皆一人ぼっちって事はなくてカチッと合う相手や仲間がいるんだよ。テニス部も
大きなジグソーパズルを皆で作ってたけどで手塚っていうピースがなくなっちゃった。
レギュラーだけで作っている大きなパズルのたった1つのピースが抜けちゃったんだ・・・・。」

「そうだねピースが1つ欠けただけパズルは完成しない。だからはい、。」

「?」

不二はの携帯電話を渡した。

「手塚に電話してみたら?少しは元気出るかもよ?」

「え、でも迷惑じゃないのかな・・・。」

先輩からならだいじょぶですって。(部長も先輩に惚れてるし。)」

メモりダイヤルを検索して手塚に電話をかける

か?どうしたんだ?』

「うん。何か手塚がいなくて変な感じがしたから周助がかけてみたらって。」

『そうか。今は部活の時間か?』

「あ、そうなの・・・ゴメンなさい。」

が元気がなくてあいつらもやる気が出ないんだろう?』

「そうなのかな?じゃあ元気出さなきゃ。」

『でも無理はするなよ。いつでも電話して来い。』

「うん。だから手塚も電話してね?私毎日メールするから!」

『あぁ待ってるぞ。』

「・・・・・・手塚。ちゃんと手塚もメールしてよ?電話も。」

『あぁ。わかっている。』

が必死に言っているのが伝わったのか手塚は電話口で苦笑している。

、大石をサポートしてやってくれ。』

「言われなくても!」

『他の部員・・・特にレギュラーの事・・・・頼んだぞ。』

「まっかせてよ!」

『少しは元気でたか?』

「あ、出てきた。すごーい。やっぱり手塚だね♪」

『あと少し部活が出来るからちゃんとやっておけと伝えてくれ。』

「うん。じゃあ、またね。」

『あぁ。』

ピッ

「ありがと、手塚・・・。」

はケータイを手のひらで包んでつぶやいた。

「さぁ皆!部活の続きしよ!」

の元気な一言でいつもの活気あふれる部活がまた始まった。





誰もが皆キラキラ輝く星のカケラ たった一つのパズルのピース
無くす事は決してできない 他の何にも変われない 大事な大事なPrecious PIECE......





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