第31章 青学最強の男と氷帝の帝王 |
「勝つのは氷帝!!負けるの青学!!」 「何々!?何が始まったの!?」 氷帝恒例(?)の応援にはただただ驚いて跡部の方を見つめるばかり。 「勝つのは氷帝!!負けるの青学!!」 「勝つのは氷帝っ負けるの青学!!」 跡部はバッと上に上げていた手を横にする。 「勝者は跡部!敗者は手塚!!」 「勝者は・・・・」 パチンと指を鳴らしバサッとジャージを上に投げた。 「俺だ!」 「氷帝氷帝!」 「跡部!跡部!」 跡部の珍(?)パフォーマンスで氷帝に活気が戻り、さらに盛り上がる。 「もういいのか?」 「あぁ満足だ。」 握手ではなくお互いにこぶしをぶつけあって試合開始の合図となった。 『ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ 氷帝サービスプレイ』 「お前とは初対決だな。」 「バーカ。俺を避けてたんだろ?アーン?いくぜっ!!」 跡部のするどいサーブで幕を開ける頂上決戦。 「あ!・・・う・・・いけ・・・!・・・手塚!・・・そこだ!いけ!・・・あぁ・・・!」 「?もうちょっと大きい声で応援したら?」 「え?あ・・・何か上手くいつもみたいに声でないんだもん。」 ドキドキして・・・とはつぶやくが、視線はずっとコートの中。 「俺様の美技に酔いな・・・どーした手塚よ。スピード落ちたんじゃねーのか?」 「いいドライブボレーだ。」 「そーかい、ありがとよ。」 跡部が手塚を挑発し、また一進一退のラリーが続く。 「うまい手塚。さっきのドライブボレーをそっくり返す気だ!!」 「オラよ!」 「ウッソーあれを返しちまった!?」 「・・・ジャックナイフかよ・・・・。」 「うぅ〜手塚〜〜。頑張れ〜〜〜。」 はまだ1ゲームも終わってないというのに既にお祈り状態であった。 「手塚ゾーンだ・・・ボールは全て手塚のもとに・・・まるで引き寄せられるかの如く。」 『15−15』 「ファッハッハッハッハッ!!やるじゃねーのよ手塚。そんな腕で」 「・・・・・・・・」 「あん?その左腕痛めてるんだろ?なあ手塚・・・。」 「いや。手塚のヒジはもう完治してるはずっ!!」 「なる程・・・ヒジな訳ね。」 大石の言葉にニヤリと不敵に笑う跡部・・・。 「大石先輩ホントなんスか?」 「本当・・・だよね?大石・・・。」 「ちゃん?」 「私見たんだもん。手塚がヒジおさえながら大石と病院入っていく所。」 「確かに手塚は最近までヒジを壊していた・・・。」 手塚がヒジを痛めた原因・・・それは2年以上前まで遡る・・・・ 「でもでも、もう平気なんでしょ?」 「あぁ・・・たぶん。」 「ちょっと大石!そんなの跡ベーのハッタリに決まってるじゃん!」 「そ、そーっスよ。心配しすぎっスよ!」 「(だといいが・・・・)」 「ああーーっ!?」 突然ずっと試合の方に視線を向けていたが叫び声を上げた。 「きたきたよ!手塚の伝家の宝刀・・・!」 「遠慮するなよ跡部・・・本気で来い。」 『ゲーム青学1−0!!』 「青学っ!!青学っ!!」 「氷帝っ!!氷帝っ!!」 若干ながらの青学がリードしている・・・。 「やっぱりヒジはもう大丈夫そうっスね!」 「ああ・・・。」 「よかったぁ〜。」 「それにしてもあの2人・・・・・・ププッ会話なしかよ。」 は2人の方よりも、余裕の表情で監督からのアドバイスを聞く跡部が気になっていた。 「相手は序盤から積極的に攻めてきている。左右のコーナーに打球を打ち分けお前を 走らせ体力を奪おうとする作戦だ。若干彼にしては攻め急いでる様だな。」 「それだけ自分を恐がっているって事ですかねえ監督!」 「おい、跡部。油断はするな!そろそろ主導権を握れ!以上だ。」 「もう握ってますよ。」 またラリー・・・が、今度は手塚のロブが跡部のチャンスボールとなってしまった。 「えっ?スマッシュ打たないの!?何で何で!?」 「この試合マズイ・・・。」 「ヒジは確かに完治したかもな手塚! (だが、そのヒジを庇って無意識のうちにお前は肩へ負担をかけているんだ…俺には見える! 自分でも気付いてない様だな・・・手塚。今までの様に20分程度の試合なら何て事ないが 長時間のプレイに耐えられるか?1時間もぶっ続けりゃ確実にお前のテニス生命は終わるぜ。 だが手塚、ただ勝つだけじゃ面白くねぇよなあ・・・) 2時間は最低でも踊ってもらうぜ!その肩の破滅と共に!」 「何で?!周助!何でワザと試合時間延ばしてるの?まさか・・・・。」 「そうだよ・・・持久戦で手塚の腕を潰す気だ・・・。」 その不二の一言が青学サイドに深くのしかかった・・・・。 BACK NEXT |