第29章 パワーを極めた者たち |
ついにシングルス3。この1試合がこの1回戦を左右するだろう。 「氷帝っ氷帝!!」 会場では氷帝の応援がますます激しくなっている。 「みんな・・・ここで負けたらオレ達3年は引退だよ。」 河村はそう言うと青学の学校の旗を片手で持ち上げようとする。 「タカさんっそれ片手じゃ無理っスよ!!」 「だけど・・・まだ終わりじゃないさ。」 「すごーい。タカさんカッコイーーー!!」 はぴょんぴょんはねて手を叩いている。 「すごいね。バーニングじゃないのに。」 「おいおいまいっただーね。」 そんな聞いた事ある語尾の声が聞こえた。 「!あれ、裕太くんとアヒルじゃない。」 「コラー!アヒルじゃないだーね!」 「裕太応援に来てくれたんだ。」 「ま、まぁな。」 弟が応援に来て不二もうれしそう。 「しかし凄いバカ力だーね。けどよ・・・アイツはもっと凄いだーね。」 『ザ・ベスト・オブ1セットマッチ青学サービスプレイ』 「おっしゃー!くらえバーニング!」 「うわっスゲェー威力!!」 会場から声が上がるも樺地は難なく打ち返す。 「い゛ーーーーっ」 「つあっバーニング!!」 「い゛ぃーーーーーっ!」 ドゴドゴバシバシと凄い音のするラリーが続いている。 「あの樺地とまともに打ち合えるとは。」 「でもケガする前にやめた方がいいっスよね。」 氷帝側は余裕そう。そして跡部がパチンと指を鳴らした途端樺地の打球が変わった。 「ばぁう!!」 「打球のスピードパワーが更に増した!?」 「なんのっグレイトー!!」 それでも樺地はどんどんと攻めてくる。 「あ〜、大変・・・・タカさ〜んがんばれ〜〜。」 はもう祈り状態だ。すると祈りが通じたのかどうかわからないが河村があの構えを見せた。 「あ、あの構えは!?」 「あれは・・・!?ふ、不動峰石田の・・・。」 「波動球!!」 カランカラン受けようとした樺地のラケットが地を這った。 『15−0』 「カモンベイビー」 「すごーい!タカさんカッコイー!!」 河村は波動球で樺地にパワーで対抗している。 「あれ、でも波動球って腕に負担がかかるんじゃないの?」 「、よく見てごらん。ほら不動峰石田クンのは片手だったけどタカさんのは両手の波動球。」 「あれで手首やヒジへの負担を減らしている。でもそれだけじゃアレは打てない。」 「乾がデータを磨いていたようにタカさんはパワーを磨いていたんだ。」 『ゲーム青学1ー0!!』 河村の波動球は次々と決まっていく。 「燃えるぜバーニング!!」 「やったー。2ゲーム連取じゃん!青学ペースだー!」 「気になるだーね・・・アイツの樺地のあの眼・・・。」 「アヒルさんそれどういう事?」 「・・・・・俺たちがコンソレーションでアイツと戦った時も同じ眼をしてたんだーね。」 すると樺地の打ち方に変化が現れた。 「い゛ぃーーーーーーーっ!!」 ガシャン 「勝つのは氷帝・・・・・・・・・です。」 「樺地がしゃべった・・・・・びっくり。人間だったのね・・・・。」 「…、それはちょっとひどいんじゃん…?」 「(あのカバ僧が波動球だと!?そんな事)ナッシーング!」 だが樺地は波動球と多彩な技で河村を翻弄していく。 「ただのパワープレーでは無いと分かっていたが・・・・試合前のデータはなんの役にも立たない。」 『ゲーム氷帝1−2!!』 「あぁ、取られちゃった・・・・。」 「パワースピードそして器用さ、すべてを持ってる選手だな。」 「あぁ。」 タカさんも波動球で対抗するも流れは氷帝に行ってしまった様でもう追いつかれてしまった。 「(アレをやるしかないのか!!)」 「!」 「タカさんそれはいけないっ!!」 「片手!?」 「グレイトォーーーーーーッ!!」 ついに片手で波動球を打った河村。だがそれをも真似して返す樺地。 「タカさん!テニスできなくなっちゃうよ!!」 「やめるんだ河村!」 皆の声が聞こえていないのか河村は連続波動球で打ち返す。 「タカさん無茶だ!本当に腕が・・・・。」 「構うもんかヒィーーート!!」 「タカさん・・・・すごい手痛いのに・・・・もうダメだよぉ〜。」 は半分泣いて河村を応援している。 「ああーーーーーーっ!!」 会場が一気に静寂に包まれる。 「もう打てません・・・・。」 「ま・・・まさか樺地のウデが先にいっちまった!?」 「もう打てないって事は青学の・・・・勝ち・・・・。」 「(・・・いいや)彼も限界だったようだな。」 榊がそう呟くと同時に河村のラケットが手から落ち、無常にもコールが響き渡った。 『両者試合続行不可能により・・・シングルス3無効試合!!』 BACK NEXT |