第23章 第2の野菜汁ペナル茶!


都大会準決勝前日の部活前、乾が何やら怪しい物を作っていた。

「・・・やっと完成したぞ。さて、そろそろ部活だ。」

そして水筒とコップを抱えて部活に向かって行った。







「今日はマラソンかー・・・。ねえ乾その水筒何入ってんの?」

乾とタイムを計っているが聞いた。

「ちょっとな。そろそろ給水ターイム。」

「あ、給水か。はいはーい。ドリンクですよー。」

「助かるよ乾。ランニング中にドリンク飲めるなんて。」

「充電完了っにゃんてね。」

、今どのくらいだ?」

「あ、えーっと、もう1分になるけど?」

がそう言うと乾はさっきの水筒から何かをコップに注ぎいれドリンクと取り替えた。

「ちょっと乾・・・それ何?」

「1周1分以上の人はコレ飲んでもらうよ!ペナル茶ーなんつって。」

「おいおい。パワーアップしてないか?」

乾が出したペナル茶を見てみんなのペースがあがった。

「ちょっと乾、それはちょっとかわいそうじゃない?」

「こんなことでダメならこの先ムリだな。」

そして部員の1人、また1人と脱落していった。

「おやおやだらしがないねえ残ったのはレギュラーだけかい?」

「先生、そろそろですかね?」

「あぁ、いいんじゃないかい?」

すると乾はビールジョッキにペナル茶を注ぎだしレギュラーの方に叫んだ。

「それじゃあラスト一周!ビリの人に超特製汁ね!」

、応援しておやり。あいつら張り切るだろう。」

「え、はーい。皆ー!!がんばってねー。勝ったらご褒美上げるよー!!」

、そこまで言う必要はないんじゃないか?」

「え?だってスミレ先生が応援しろって・・・。」

少し慌てた乾をどうしてー?と首をかしげてが言った。

、ちとやりすぎたんじゃないのかい?」

「は!?」

が皆の方を見るとすさまじいダッシュをし始めた。あの手塚までも。

「あれじゃランニングにならないだろう・・・。」

「う・・・ごめんなさい。」

「ま、のせいじゃなくてあいつらが単純なんだがな。」

そして、まあ予想通り全員同着でゴールした。

「はい。皆お疲れー。今度はちゃんとしたドリンクよ。」

〜。ご褒美はどうなんの?」

「え?皆同着だったから今回はナシ!」

「えー、先輩そりゃないっすよー。」

皆急に精気が抜けたように座りこんでしまった。

「おい。いつまで座ってる気だ。」

いつもより少し迫力がない手塚がレギュラーをうながした。

「これから紅白戦を行う!!不二・・・それと越前!まずはお前達からだ!!」

「「え!?」」

「おー。すっげー。この2人の試合楽しみー。2人ともがんばってねー!!」

試合をやらないが1番楽しそうに応援していた。

先輩、オレが勝ったらさっきのごほうび下さいよ。」

「あ、それいいね。じゃあ勝った人にご褒美上げるからがんばってー。」

がそういうと皆俄然やる気が出てきたようだ。河村に至ってはバーニング状態になっている。

「ザベストオブ1セットマッチ不二サービスプレイ!!」

審判の手塚の声と共に不二VSリョーマの試合が始まった。

「すごーい。キレイなストロークが続いてるねー。」

「お、おチビはえーー。」

あっという間にリョーマがスマッシュを打ったかと思うとすぐさまロブが上がった。

「え!?何あれー。」

「三種の返し球の1つヒグマ落とし。へえ、不二があの技を出すとはね。それだけ本気ってことか。」

「すごーい。ダイレクトでスマッシュ返すなんて・・・。」

がほへーっと感心していると次々に試合が始まっていった。

「えー、今までにない対戦だ。すごいねー。」

すると不二とリョーマの試合もヒートアップしてきた。

「あれ?桃と手塚もう終わったの?」

「あぁ、そうみたいだね。」

「あ、手塚ー勝ったんでしょ?ごほうびあげるよ。何がいい?」

「・・・別になんでもいい。」

「あっそ、じゃあ・・・。」

と言っては背伸びをして手塚のほっぺたにキスをした。

「/////!!」

「あー、手塚が赤くなったー。かわいいーv」

「手塚ずるいー。大石!俺たちも早くやろ!」

「はいはい。コリャ大変。」

だが雲行きが怪しくなってきて紅白試合は結局おじゃんになってしまったのだった。

「残念だなー。僕もごほうび欲しかったのに。」

不二は開眼してに近づいた。

「(恐・・・)そんなこと言っても試合終わらなかったんだもん。仕方ないじゃん。」

「部長だけズルイっスよ。」

「そーだそーだー!!」

「ふしゅ〜。手塚部長ばっかりズルイっス・・・。」

「なんだかんだ言って手塚はいいところ持っていくもんな。」

「そうだよね。ちょっとずるいんじゃない?手塚。」

「・・・・・・・・・・」

「こらこら、早く着替えないと風邪ひくよ?」

に看病されるんだったら風邪ひいてもいいな♪」

「周助!明日は都大会準決勝あるんだからそんなこと言っちゃダメじゃんか!!」

はぴしゃりと不二をしかりつけた。

「不二先輩、まだまだっスね。」

こうして紅白試合の決着もつかないまま手塚だけがいい思いをした部活が終わった。





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