第19章 都大会その2 |
が走って青学のコートにつくとすでに準決勝が始まっていた。 「あっちゃー・・・もう始まってるー!!」 「あ、遅かったね。もうダブルス始まってるよ?」 「えー・・・あれ?周助今回はダブルスじゃないの?」 「僕はS2なんだ。今は桃・海堂のペアと英二・大石のダブルスやってるよ。」 「え!?桃と薫ちゃんダブルスー?さては・・・乾。何か作戦でしょ?」 「よく見てればわかるさ。」 乾はフッと笑うとデータノートに何やら書き込んでいた。 「ふーん・・・でも何気に息あってるけど・・・ケンカ熱は冷めないね。」 「あの2人はが入ってくる前からのライバルだからね。」 「ふーん・・・。」 「ところで。何でまだそのカッコなの?」 「何でって・・・暑いから。何?変?」 「先輩見られてるんスよ。」 「周りの人に?まっさかー・・・あ、でもさっきジロジロ見られてたような・・・?」 はさっき思った事をもう忘れてしまったようできょとんと首をかしげています。 「・・・ここは男子の会場なんだ。この近くにいる男の85%はを見てるぞ。」 「うーん・・・乾が言うんだから正しいか。じゃあジャージはくー。」 は急いでジャージをはき応援を再開した。 「ねえ周助、英二達の方はどうなの?」 と言っては英二達の方のコートに近づいていった。 「あれ、もう1−3?負けてんじゃん。」 「ねえ、先輩。ボールが5つ6つに見えません?」 「は?リョーマ何言ってんの?」 「赤澤はバックハンドストロークの際にラケットのスイートスポットを外し 先端で打つ妙なクセを持っている。あの打球には無数の微妙なブレが生じてるはずだ。」 「あ、英二は動体視力が良すぎるから全部の球を目で追っちゃうのか!」 「目が痛い。疲れるっス。」 「あ、リョーマもそうか・・・でもブレ球を克服するのはムリじゃない?」 「菊丸は逆に燃えてるみたいだぞ。」 「それに・・・あの2人が何て呼ばれてるか知ってるよね?」 「え?黄金ペアでしょ?」 「大石のテニスはコート全体を見渡し広い視野と堅実なプレーで試合の流れを 読みながら相手の隙を見つけてゲームメイクする。」 「え、でも英二あんなにとばしてるし・・・大石はまだ何もしてないよ?」 「ほら、出るよ大石の十八番・・・。中ロブぎみのトップスピンボレー。」 「あ、ムーンボレー!!ラインギリギリだ。大石ー!カッコイーぞー!!」 に大声で叫ばれ大石は顔がぽぽぽっと赤くなった。 そして大石のムーンボレーから青学は巻き返し始めオーストラリアフォーメーションという 高度なフォーメーションで相手の意表をつき、英二の体力を回復するために 2ゲームを捨て相手をまんまと騙しついに追いついて6−6のタイブレーク。 「あ、大石からのサーブだから・・・オーストラリアフォーメーションだ!!」 「タイブレークは最初のポイントが大事だからね。」 「さすが黄金ペアだね。」 「いや、本当ならタイブレークになる前に試合を終わらさなければならなかった。」 「?乾ー。それってどういうこと?」 「見てればわかる・・・・。」 そして乾の言った事が現実になり3−0でリードしていたのがあっという間に3−7で負けた。 「充電切れちった・・・・。」 英二は苦笑いしながら大石の肩にもたれながらコートから出てきた。 「英二、大石、お疲れ様。」 「ちゃん・・・ありがとう。」 「残念だったね・・・2人とも。」 「でも、俺たちの仇を桃と海堂にとってもらうからさ。」 英二はそう言いながらもコートとは別方向に歩いていった。 「手塚、私英二の所に行ってくる。」 「あぁ。わかった。」 そしては英二の後を追いかけて走っていった。 「英二!!」 英二は青学のコートとは少し離れた所の木陰にいた。(どっかのルーキーみたい・・・) 「?どしたの?」 「英二が心配で飛んできたの。」 「そっか・・・俺ダメだにゃー。大石にも迷惑かけてにまで・・・。」 「こら!そんなにメソメソするんじゃない!!英二のせいじゃないよ!!」 「・・・・。」 「本当に本当におしかったよ!!」 そう言いながらの目から涙がこぼれてきた。 「・・・泣かないで。」 「だって・・・英二がんばってたもん。最後まであきらめないでカッコよかったよ。」 そう言っては英二の体をぎゅーーーっと抱きしめた。 「・・・俺のために泣いてくれてありがとう。俺元気でたよ。」 「本当!?よかった。じゃあみんなの所に戻ろう?」 「えー・・・もうちょっとこのままがいいな〜。」 英二はのことを逆にぎゅーーっと抱きしめた。 「英二・・・離してよー。」 「の体って柔らかくて気持ちいー・・・。」 「やー!!英二のエッチー。」 英二はがバンッと叩こうとするのをひょいっとかわした。 「残念無念また来週〜!!」 「こらー!!英二待てーーー!!!」 はクスクスと笑いながら逃げていく英二を追いかけていった。 BACK NEXT |