第9章 地区予選その2 |
地区予選決勝青学VS不動峰の試合は緒戦から荒れた。 不二が三種の返し球のつばめ返しで流れを引き戻したかと思うと、 相手は波動球というものすごいフラットショットを打ってきた。 「タカさんだいじょうぶ?」 マネージャーのは波動球を打ち返した河村と病院にいた。 「うん。まあ痛いけどね。ごめんねちゃんつき合わせちゃって・・・。」 「いいよ〜。マネージャーだから。でも骨に異常ないなんてよかったよ。」 「うん。ありがとう。」 「じゃあ私先に帰ってるよ。ちゃんと領収書はもらっといてね。」 はバイバイと手を振って会場へ戻って行った。 試合会場へ戻ると既にシングルス3の試合が始まっていた。 「あっちゃー。英二たちの試合見れなかったかー・・・。」 「あ、先輩お帰りなさいっス。タカさんの怪我どうでした?」 「骨に異常ないみたいよ。ガンジョーガンジョー。」 「じゃあオレちょっくら行ってきますねー。」 「ちょっと桃!?試合見てなくていいの?」 「すぐ戻ってきますから〜。」 と言ってが来た方向へ走っていった。 「あーあー。全く・・・。」 そしても皆の所に行った。 「あ、おかえりー。」 「ただいま〜。試合どうなってる?」 「海堂がねばって追いついてるよ。」 「へーー。さっすが薫ちゃん。体力作りがんばってるもんなー。」 「先輩それどういうことっスか?」 近くにいた1年生トリオが聞いてきた。 「薫ちゃんねー、たくさんマラソンしてるんだよー。」 「詳しく言うと早朝ランニング10km、部活後ランニング10km、夜ランニング10km、前後ダッシュ50×3、素振り1500回etc・・・」 隣にいた乾がデータノートを読み上げながら言った。 「あれー?乾よく知ってるねー。私もそこまで知らなかったよー。」 「はどうして知っていたんだ?」 「夜、たまたま出かけた時に会ったのー。」 へー。とうなずきながら乾はデータノートに何か書いていった。 「ちょっと乾。変なこと書いてないでしょうね?」 「さあな。」 そうこうしているうちにシングルス3の試合が終わりシングルス2の試合が始まろうとしていた。 「リョーマー。がんばってねー。」 「うぃーっス。」 はこの試合もだいじょうぶだろうと思ってまたちょっと抜け出すことにした。 「リョーマだしこの試合もきっとすぐ勝つわよねー。」 そんなことをつぶやきながら歩いていると前に杏と桜乃が歩いているのが見えた。 「あ、おーい。杏ちゃーん、桜乃ちゃーん!!」 「あらちゃん。」 「先輩こんにちは。」 「2人ともどうして一緒なの?あ、桜乃ちゃんはリョーマの試合見に行くんでしょ?」 どおやら図星だったらしく桜乃は真っ赤になってうなずいた。 「杏ちゃんは?」 「私はテニス部の試合が終わったから応援しにきたのよ。」 「青学を?」 「まさか。私不動峰中なんだもん。」 「え・・・もしやまさか・・・あの部長の・・・?」 「そ、不動峰中男子テニス部の部長橘の妹だよ♪」 「うええーーー。全然似てないねー・・・。」 「先輩、試合見てなくていいんですか?」 「だってリョーマだから大丈夫かなーって思ってね。」 「ちゃん相手は誰なの?」 「えーっと・・・確か伊武くんだったかな・・・?」 「じゃあちゃん見てなきゃかもよ?」 杏がいたずらっ子っぽくウィンクをした。 「杏ちゃんその笑いは・・・じゃあやっぱ見に行こうかな・・・。」 結局3人で試合のコートに向かった。 「じゃあ杏ちゃん、桜乃ちゃん私ベンチの方に行くから。」 2人にバイバイと手を振りはベンチの方へ向かった。 「乾・・・今どうなってる?」 「あれ?どこ行ってたんだ?とりあえずまだ越前のリードだ。」 「へー・・・・あれ?何か変な攻め方してる・・・。」 「あ、もそう思う?」 ベンチの中から不二が話しかけてきた。 「あ、ラケットが・・・・!!」 がそう叫んだと同時にリョーマの折れたラケットがリョーマのまぶたを切った。 でもリョーマは血が止まらないのに試合を続けると言い張った。 「リョーマ・・やっぱ不利だしやめた方がいいんじゃん?」 「先輩がいくら言ってもオレやるっス。」 が言ってもリョーマは聞き入れてくれず、結局手塚から10分という許しを得て再びコートへ戻って行った。 「それにしてもリョーマはすごいや・・・。」 「何が?」 の1人ごとを聞いていたらしく不二が答えてきた。 「だって片目見えないのに試合するって言うんだもん。勇気あるね。」 「そうだね。」 結果はリョーマの勝ち。そして青学は見事地区予選優勝となった。 BACK NEXT |