第7章 memory |
「周助〜〜〜〜〜!!!!!」 あのあと、練習して帰るという桃城・リョーマとわかれたはダッシュで不二家に帰った。 「あ、ちゃんお帰りなさい。ラズベリーパイ焼いたんだけど食べる?」 「あ、由美子さんただいまです。パイあとでもらいます〜。」 は一目散に不二の部屋を目指した。 バタンッ!! 「周助!!」 「あれ?。お帰り。随分遅かったね。」 「あ、桃とリョーマと寄り道してたから。」 「へー。桃と越前と・・・・。楽しかった?」 ひゅ〜〜〜と少し部屋の中が寒くなってきた。 「(?)うん。おもしろかったよー♪」 「へー。は僕と帰るより2人と帰ったほうがいいんだ。」 「は?何言ってんの?周助が先に帰ってって言ったくせに〜。」 不二の黒いオーラに少しビビリながらもも負けじと言い返した。 「ま、それはどうでもいいけどね。(桃と越前明日覚えておきなよ?)」 不二がそう思った瞬間ダブルスの練習をしていた桃城と越前はそろって寒気がしたそうな。 「桃先輩・・・寒気しません?」 「先輩が不二先輩にオレたちと帰った事言ったんじゃねえか?」 「明日が怖いっスね・・・。」 「でも、これだけはどうにもならねえしな・・・。」 桃、リョーマ、ご愁傷様です・・・・。 「ところで何か言いたいことあったんじゃないの?」 「あ、そうよ!周助が余計なこと言うから〜。」 「ごめんごめん。で、どうしたの?」 「周助、私に質問したいことあったらどうぞ。」 「は!?」 のあまりに突拍子な質問にさすがの不二もびっくりしてしまった。 「だから、私にーとか、未来はどうなるーとかないの?」 「どうしたの急に・・・。」 「私・・・・記憶喪失になるかもしれないの!!」 「・・・ぷっあはははは・・・。」 「周助ー。笑い事じゃないんだってば!!」 は目を潤ませながら言った。 「はどうしてそう思ったの?」 「私実は皆のこと結構前から知ってたの。この先の事とかも。でもね、だんだんわからなくなってきたの。」 「じゃあ。お母さんとお父さんの名前は?」 「えっと・・・・・あれ??マジでわかんない・・・。」 「兄弟とかはいるの?」 「いたようないないよーな・・・・。」 「これは重症かもね・・・・。」 不二がそういうとの目からポロポロと涙がこぼれてきた。 「どうしよう周助・・・・元いた世界のこと忘れちゃうのかな・・・?」 「僕にもわからないけど・・・それってがこの世界に馴染んできてるってことにならない?」 「馴染んできてる?」 「うん。だって最初のうちはまだいろんなことわかってたでしょ?きっとそういうことだよ。」 「そうなのかなー・・・。」 「勉強とかのことは忘れてないでしょ?」 「うん。何かわからないけどベクトルとかもわかるよ。」 「じゃあとりあえずはだいじょうぶだよ。」 「でもお母さんとかお父さんとかのこと忘れちゃうのは悲しい・・・。」 はさらに泣き出してしまった。 「。泣かないで。きっとまた思い出すときが来るよ。」 不二はのおでこにチュッとキスをした。 「ひっく・・・周助・・・。」 「が元気になれるおまじないだよ。」 「周助・・・ありがと。」 「さ、姉さんがラズベリーパイ焼いたって言ってたから食べに行こう。」 「うん!」 は少し元気が出たようで不二と下に下りて行った。 その夜・・・は自分の部屋でまだ少しちらかっている荷物を片付けていた。 「そういえば、私の荷物全部こっちにきたのに写真とか1枚もないのかな・・?」 はせっかく片付けた荷物をまたがさがさとかきだして捜してみた。 「あ、あった・・・これ私だ・・・・周りにいるのは私の家族・・・?」 は写真を見つけるとすぐに不二の部屋に駆け込んでいった。 「周助!!写真見つけたの!!」 「写真?見せて・・・・これの家族の写真なんじゃない?」 「私もそうだと思うの。アルバムとかはこっちにきてないみたいだったけどこの写真だけあったの。」 「よかったじゃない。家族の写真があって。」 不二はの頭をよしよしとなでた。 「でもね私思ったの。家族と離れてても私には周助もいるしテニス部の皆もいるし、 茜もいる。だから全然さびしくないんだなって。」 「そうだよ。僕達はもう仲間なんだから。家族みたいに思っていいんだよ。」 自分のことだけじゃなかったのが少し不満ではあったが顔には出さなかった。 「やっぱ周助と話すと元気出てくるよありがとう。」 さっきのお返しとでも言うようには不二のほっぺたにキスをして部屋を出て行った。 「クスッ。やっぱりかわいいや。」 不二は少し赤くなりながら言った。 この日を境には向こうの世界の記憶がすっぽりと抜けてしまった。 だから今後テニス部がどういうふうに勝ち進んで行くのかも、 次のレギュラー陣が誰になるかなんて全くわからなくなってしまった。 でも未来はわからないから楽しいんだなと明るく前向きに考えるだった。 BACK NEXT |