第6章 ダブルスでGO!


「えー。一緒に帰れないのー?」

地区予選を2日後に控えたある日、男テニの部室からの叫び声が聞こえた。

「だからさ、。先生に呼び出されたんだってば。」

不二はいつも通りの笑顔だが少し申し訳なさそうに言った。

「新しくできたケーキバイキング行こうって言ってたのに・・・。」

「ほらほら。そんなにふくれてるとかわいい顔が台無しだよ。」

「どーせ私はかわいくないですよーーっだ。」

舌をべーーっと不二に出しては言った。

「この埋め合わせは必ずするからさ。ね?」

「わかったよ。じゃあ今度何かおごってね。」

「はいはい。」

それでもは納得がいかないらしくほっぺたをぶーっとふくらませて部室を後にした。

「ちぇー。今日は1人か。お!?桃とリョーマ発見!桃〜リョーマ〜。」

「あれ?先輩?今日は不二先輩は一緒じゃないんスか?」

「周助は先生に呼び出されたの。まだまだよね。」

「先輩・・それオレのセリフっス・・・。」

「へへへ。だから今日は1人になっちってさー。一緒に帰っていい?」

「「もちろんっス!」」

2人ずずずっと前に出て声をそろえて言った。

「わーい。2人ともありがとー。大好きーー。」

はぎゅ〜っと2人に抱きついた。

「「(ここに不二先輩がいなくてよかった・・・。)」」







3人はハンバーガーをほおばりながら明後日からの地区予選について話していた。

先輩は地区予選のメンバーどう思います?」

すでに3つめのハンバーガーにかぶりついている桃城が聞いた。

「私みんなの試合ちゃんと見たことないからよーわからんちん。」

「ダブルス2枠、シングルス3枠っスよね?」

「オレの推測だと・・・シングルス1は手塚部長に間違いない!シングルス2は不二先輩だろうなぁ。」

「やっぱその2人って強いの?」

「さすが青学のNO.1、NO.2って感じっスよ。」

「じゃあ桃先輩ダブルスは?」

「エージ先輩、大石先輩は去年全国までいった黄金ペアだからダブルス1だ。」

「となると、残ってんのはタカさんと薫ちゃんと桃とリョーマか・・・。枠はシングルス1名ダブルス2名補欠1名でしょ〜。」

「「シングルス3は俺かな!」」

「あははははは。2人ともシングルス狙いなんだ。」

「ダブルスは性にあわないっス。」

「でもそれって試合直前スミレ先生が決めるんでしょ?」

「じゃあ桃先輩。オレたちだけでも決着つけときます?」

「ちょっと、リョーマ。」

「いいねー!!その案のった!お前って本当にケンカっぱやいな。」

「そっちこそ人のこと言えないくせに。」

「桃まで・・・でもちょっと楽しそうね。」

実は1番乗り気なのはマネージャーであるだった・・・。

「あれ?ボールの音が聞こえる。テニスコートあるんじゃない?行ってみよ!」

「「先輩待ってくださいよー。(何で先輩が1番張り切ってんだ?)」」

桃城とリョーマはもっともな疑問を思いながらのあとを追いかけていった。







「おーおー。ストリートテニスって感じじゃん。」

「ライトアップも充分っスね。」

「こんな所にコートあるんだねー。今度来よーっと。」

がふと横を見ると女の子がこちらに手を振っていたのでてててっとその子の方へかけてった。

「こんばんわ。ここ初めて?」

見た目と同じでハキハキした女の子で向こうから声をかけてくれた。

「うん。私。中3だよ。よろしくね。(あれ?この子知ってるよーな知らないよーな。)」

「私橘杏。中2。ちゃんでいい?」

「もち。(あれ?杏ちゃんのことは向こうのマンガで知ってるはずなのに・・・)杏ちゃんはここの常連?」

「まあそんなところかな。あの2人はちゃんの後輩?」

「そうそう。あれ?試合するのかな?桃〜リョーマ〜がんばってね〜。」

「「(先輩が俺を応援してる!!)」」

2人はの応援でさらに燃えてサーブのキレがいつもよりよかった。

「いいサーブ打つのね。でもちゃん。あの2人ダブルスとしてはどうかな?」

「ダメダメね。2人とも全然向いてないと思う。あ、やっぱ負けたよ。」

「だって泉さんたちここでは結構強い方だもん。」

「ちょっと2人のところ行って来るね。じゃあ今度来たらテニスしようねー。」

は杏にバイバイと手を振ると2人の所へ走っていった。

「桃!リョーマ!お疲れ様。」

先輩、桃先輩が協調性なさすぎなんスよね。」

「お前に言われたかねぇよ。」

「2人ともシングルスなら絶対勝てる相手なのにね。」

3人で話していると桃城たちの対戦相手が他の人たちと話しているのが聞こえてきた。

「泉・布川あんな強い2人組み倒してすげぇな。さすが玉林中テニス部の名ダブルス!!」

「玉林中!?次の対戦相手じゃない!!」

先輩声が大きいっスよ!」

すると泉と布川の話し声も聞こえてきた。

「あの2人腕はピカイチなのにあのダブルスはおそまつだもんな。」

「あんなチグハグコンビ何回やっても勝てるぜ。」

それを聞いたはすぐさま2人をなだめ始めた。

「・・・2人ともいいじゃない。ね?シングルスだったら勝てるんだし。」

「「先輩!!」」

「な・・・何?」

「オレあさっての試合でシングルス3がいいって言ったの撤回するっス。」

「俺も撤回するっス。」

「ど・・・どうしたのよ2人とも・・・。」

「「やっぱ男はダブルスでしょう!!」」

「2人とも早まらない方がいいんじゃない?」

「越前明日っから特訓だ!!」

「うぃーーっス!!」

「あーあ。ダメだこりゃ・・・・。(あれ?そういえば私今の2人のセリフ知ってるはずなのに
何で無意識にあーゆーふうに言ったんだろ・・・・?ん?あれ?玉林中のオーダーってどうだっけ?
あれ?青学は決勝行くんだっけ?あれ?あれ〜〜〜?)」

はだんだん向こうでのテニプリに関しての記憶が薄れていってるのにまだ気がついてないようだった。





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