第3章 マネージャー初仕事


「今日は2、3年生はフリーの練習試合、仮入部の1年生は
ランニング6kmのあと素振り500回だそうです。」

今日は手塚や大石がランキング戦の話し合いでいないので昨日
マネージャーになったがテキパキと指示を出していた。

はもうマネージャーって感じだね♪」

が1年生のためのドリンクの準備をしていると不二が話しかけてきた。

「周助・・・練習しなくていいの?」

「部員数が多いからなかなか入れないんだよ。」

「そっかー。でもちゃんと練習しないと手塚に言いつけちゃうぞ〜。」

にはははーと笑いながらはドリンクを持って1年生の所へ行った。

「クスッ。かわいいな〜。」







「だー!!こんなにツライんだここの練習はー!!」

堀尾がそうぼやいている時にがドリンクを持って現れた。

「はいはーい。皆さんお疲れ様。ドリンクですよー。」

「ありがとうございます。は〜生き返るなー・・・。」

「こんなんでへばってたらダメよー。まだ素振りもあるんだから。」

「まだまだだね。」

生意気な口ぐせが聞こえたかと思うと生意気ルーキー越前リョーマが余裕の顔で立っていた。

「あら。越前君はまだ余裕なんだー。」

「リョーマでいいっスよ。先輩。」

「ま、これから大変だけどがんばってね〜。」

「???」

はまた余計なことを言って今度は2、3年生にドリンクを配りに行った。

「試合入ってない人ドリンクですよー。」

。手塚たちはまだこないの?」

英二がドリンクを飲みながら聞いた。

「さあ、もう少しで帰ってくるんじゃない?」

、あそこはどうする?止めるか?」

「乾?何を止めんのよ。」

と、パッと乾の指した方向を見るとまた荒井がリョーマに絡んでいた。

「あー。またやってる・・・。止めてくるか・・・。」

やれやれとが肩をすくめ止めに行こうとすると不二がの肩をつかんだ。

「周助?止めなくていいの?」

「ちょっと見てみようよ。」

これから始まることにとてもおもしろうそうなものを感じた不二はニコニコ笑って言った。

「えー。私知らないからねー。」

「俺も知ーらなーい。」

「じゃあデータでも取るか。」

乾はちゃっかりデータノートを構えている。







リョーマは荒井にボロボロのラケットを渡されたがそれでも越前の力は全く衰えなかった。

「うわー。リョーマカッコイー・・・。」

「来るなあいつ。」

「ああ。」

「ところで。いつ越前とそんなに仲良くなったの?」

ひゅ〜〜〜〜と周りの気温が5℃下がったと思うと不二がとても黒いオーラを出してを見ていた。

「(ひえ〜〜〜。恐いよ〜。)え・・・さっきドリンクあげた時にね・・・・。」

周りに助けを求めようにもすでに不二のオーラを恐れ皆逃げていた。

「リョーマでいいよって言われたんだよ。」

「ふ〜〜〜ん。」

さらに不二は開眼してに近づいた。

「だ・・・だって周助だって名前で呼んでるじゃん。ね?」

不二のオーラに圧倒されながらもは何とか答えた。

「まぁ、いいけどね。」

不二はあとでどうなるかわかってるよね?とでも言うような笑みをに向けた。

「そうそう、。ちょっと僕とラリーしない?」

「え?何で?」

「だってテニスできるって言ってたじゃない?今ちょうどDコートが空いてるし。」

「でも周助強いからヤダなー・・・。」

「だいじょうぶ本気は出さないから。」

「じゃあラケット借りてくるよ。」

と、走りだそうとするとまた不二に肩をつかまれた。

のラケットこれだよね?」

「周助・・・なんで持ってんの?」

「こんなこともあろうかと持ってきといたんだ♪」







「あれ?と不二がラリーするみたいだにゃ。」

リョーマと荒井の試合を見終わった英二がDコートの方を見て言った。

「ほぅ。じゃあデータでも取るか。」

またまたデータノートを開き今度はのデータを取り始めた。

「じゃあいくよ!」

「お・・・おう!」

ポーンポーンときれいなラリーが続いていく。

「へー。ってテニスできたんだにゃ。」

「ふむふむ。ドライブのストロークが得意なのか。」

乾もカキカキとノートに書いていく。

!結構いいストローク打つじゃない。」

「(私ここまでうまくなかったはず・・・。)ちょっと今日は調子がいいかも!」

打ち合いながら会話していく。不二とがラリーを始めて5分ぐらいしたその時・・・・

「お前ら練習はどうした!!!!」

手塚の怒鳴り声がコートに響いた。
が周りを見渡すといつのまにか部員のほとんどがと不二のラリーを見ていた。

「全員グラウンド20周!!」

手塚が言うと共に全員がぴゅーーーとグラウンドに飛び出していった。

「手塚・・・もしかしなくても私も?」

がおずおずと聞くと・・・

には今からランキング戦の説明をするから部室に来い。」

と言って先に歩いていってしまった。

「大石ー。私ほんとに走んなくてよかったのかな?」

「手塚としてもマネージャーを走らすわけにはいかないんじゃない?女の子だし。」

「そっかー。手塚って結構優しいんだね。」

「あいつは表情に出ないけどちゃんと部員のこと考えてるんだよ。じゃあ部室に行こう。」

「うん。」

マネージャー業初日から走らされそうになるのをギリギリ免れただった。





BACK   NEXT