A DAY OF THE SURVIVAL MOUNTAIN〜恐怖の強化トレーニング〜 (3)


「ワンセットマッチ越前トゥサーブ!」

右手でのサーブ。一見ツイストかと思われたが顔面に行かない。

「え〜ツイストじゃないよ!」

「さぁこれからだぜガキ。オレのラケットさばきで踊ってもらうぜ!」

難無くリターンを返され0-15

「ん…なるほど…人形使いか…いいネーミングだ。あれだけたくみなラケットさばきがあれば思うように
ボールコントロールができる。だとすれば自由自在に好きなポイントにリターンして相手を振り回す事ができる。」

「乾ー!感心してる場合じゃないよ〜!リョーマすっごい走らされてるじゃん!」

「あのラケットさばきでうまくボールコントロールしているんだ。
越前は相手のペースにまんまとはめられてしまった。」

乾の言葉通りペースにはめられてしまったのかリョーマは次々とポイントを取られていく。

「リョーマぁ〜…。」

「こんな一方的な展開になるなんて…手塚。」

大石やが手塚を見ても手塚はリョーマの試合を見ている。

「さぁこっからだ。もっともっと踊ってもらうぜくそガキ!」

「ふーん。なるほどね。」

そうリョーマがつぶやいた後放ったツイストが見事佐々部の顔に命中。

「どーもお待たせ。」

「すごい!ちゃんとツイストになった〜。」

「ったく、あいつ大した奴だぜ。」

「越前はDコートで放ったツイストサーブからヒントを得ていたんだ。ツイストサーブは相手の
顔面に向かってこそ真価を発揮する。それが斜面では性格に曲がらなかった。
当然傾斜角度に合わせてグリップの握りを変える必要がある。これを越前は通常のコートで利用したんだ。」

「なるほどね〜だからさっきからグリップを何度も見てたんだ。」

「これは新技だね。名づけるならツイストサーブトルネード。」

「ツイストサーブトルネードか…くぁっくいー。」

リョーマの新技に佐々部は手も足も出ない。

「まだまだだね。さぁてこっからはツイスト以外も使うから覚悟しといて。」

「何だとガキが。調子づきやがって。」

「ねぇ、今度はアンタが踊ってみる?」

左手にラケットを持ち替えたリョーマはあっという間に試合を決めた。

「イェーイ!さっすがリョーマ!」

「ん?」

「おいガキ!まだ終わってねえぞ!」

「これで帰れると思ってんのか!?」

「ただじゃ帰さねぇぞ。」

残りの大学生がリョーマの前に立ちはだかった。

「あ!大変!ってあれ?皆?」

「俺もお手合わせ願おうか。」

「へっへー。」

「ちぇ。皆目立ちたがりやなんだから。」

大学生が現れたと同時にレギュラー陣もコートに入っていた。

「午後のメニューなくてよさそうだね、乾。」

「あぁ。いいデータが取れそうだ(キラーン☆)」

レギュラー陣の試合もあっという間に終わって結果全てストレート勝ち。

「すごーい!皆カッコイー!!」

「もう終わりっスか?暴れたんねぇな。」

「俺が相手だ。」

すると黙って見ていた相手側のコーチが出てきた。

「コーチ…」

「調子に乗りすぎだぜガキども。全員まとめてかわいがってやる。最初の相手は誰だ?」

「ねぇコーチまで出てきちゃったよ〜だいじょぶかな?」

、まだいるだろう。試合やってない奴が1人。」

「え?」

レギュラー陣の後ろから出て来た青学最強人物…

「あ…部長…。」

「お願いします。」

「おいお前本気か?ナメんなよ。怪我すっぞ。」

「バカな奴らだぜ。俺達に勝ったからって鬼の権藤に勝てると思ってんのかよ。」

現役時代から衰えていない権藤のサーブだったが手塚はラクラクとリターンを返した。

「なっ!?」

「いい空気のせいでしょうか…ボールに勢いがつきます。」

「さっすが手塚だね〜♪」

その後も権藤にポイントを与える事なく余裕で勝利した手塚。所詮は引退した男。手塚の敵ではありませんけどね。

「皆お疲れ様〜。」

ー俺の事見てた?」

「うん。アクロバティック全開だったね☆」

「ものたんねーなー。もう1試合やりましょうよ。」

「桃まだやりたいの?じゃあ私とやる?」

「マジスか?」

「私もテニスやりたいし。いいでしょ?手塚?」

「…試合する時間はないぞ。」

「じゃあラリーだけー。ほら、リョーマもおいで。」

は1人でいたリョーマにも声をかけた。

「俺1人でも全部倒せたのに。」

「まぁまぁ。いいじゃん。全員勝てていい練習になったよ。」

「ふぅ…まだまだだね。」

こうして事件もあったが恐怖の強化合宿が終わった。





〜オマケ〜

「ねえ手塚。今回の乾汁ヘーキそうだったね。」

「あぁ。飲めない味ではなかったな。」

「へぇ〜じゃあこれは?」

は水筒からコップに液体を注いだ。

「これは何だ?」

「お茶だよ。」

手塚は怪しみながらもグイッと一気に飲んだ。

「苦っ…!?……これは…。」

「手塚って乾汁はヘーキなのにこれだけはダメなんだね〜。」

…これはまさか…。」

「うん。センブリ茶!」

「(苦い…)………何でこんなもの持ってるんだ?」

「え?あの大学生に配ってやろうかと思ったんだけどね〜やっぱやめたから手塚にあげたの。」

「…最初は何に使うつもりだったんだ?」

「午後メニューの×ゲーム用。私がメニュー決めたんだけど急遽試合したから余っちゃったんだもん。」

「…だからって俺に飲ませるな。」

「だって他にあげる人思いつかなかったから♪手塚、口苦い?」

「……当たり前だ。」

「じゃあ今度はこれあげる。」

今度は別のポットを取り出し、また紙コップを手塚に渡した。

「今度は何だ?」

「今度はだいじょぶよ。センブリ用の口直し。」

「(ゴクゴク)……確かに口の苦さが取れていくな。」

「あったりまえじゃん。そのために作ったんだもん。」

手塚はニコニコ笑うの頭を軽く叩いた。

「?どうしたの?手塚?」

「いや、らしいなと。」

「?変な手塚。まぁいいや。じゃあ帰ろう!」

「あぁそうだな。」

結局いたずらされてもなので許してしまう手塚だった。

「なーんかいい雰囲気でムカツクー。」

「じゃあ英二もセンブリ茶飲んでくれば?」

「うっ…。口直しがあってもなぁ…。」

結局センブリ茶がいやで手塚との事を邪魔できないレギュラー陣だった。





ちょっとだけラジプリネタでした(笑)





BACK