St.Valentine's Day


2月13日。不二家の台所には張り紙がついていた。

「『男子禁制!!』?これ何のつもり?」

「あ!周助入っちゃダメよ。ちゃんと書いてあるじゃない。」

「じゃあ女装したら入れてくれるの?(ニッコリ)」

「ダーメ。そんな冗談みたいな事言っても入っちゃダメー。」

「じゃあ何やってるかだけ教えてよ。」

「それも内緒ー。」

「じゃあ後でどうなっても平気だよね?」

「・・・・・じゃあ周助もどうなったっていいよね?」

は不二に挑戦状!とでも言うようにそっくりそのまま言葉を返した。

「・・・・仕方ない。明日楽しみにしてるからね♪」

「何だわかってるじゃん。」

明日はバレンタインデー。女の子にとっては大事な大事な1日である。

「えっと、甘くないのはこっちで、甘いのはこっち。よし。」

、僕は両方好きだから♪」

不二は話しながらソーッとキッチンのドアを開けてに近づいた。

「はいはい。あ、周助連絡網回してくれる?」

「何で?」

そう言いつつテーブルの上に並べてあるチョコに手を伸ばそうとする不二。

「周助〜邪魔したら本当にあげないから!!」

「はいはい。でも1つ質問していい?」

「いいよ。」

「何でこんなに大量に作ってるの?」

「あげる人たくさんいるから〜。」

「僕以外に?」

「うん。」

忙しく手を動かしながら思いっきり頷く。そしてがっかりする不二。

「ま、明日を楽しみにしてるよ♪」

「え、ちょっと周助〜連絡網は〜〜〜!!」

結局作り終わった後が一括送信したのでした。







そして次の日、運命のバレンタインデー。レギュラー陣にとっては疲れるデー。

「あ、大石おはよ〜。今日も早いね〜。」

「今日は朝練ないはずだけどどうして早く集合かけたんだい?」

「え、ちゃんとバレンタインデーの必需品を渡さないとと思って。」

「必需品?」

はバタバタと部室の中をごそごそやっている。と、間もなく全員集合。

「あれ?今日は早いんだね〜。」

先輩が昨日脅しかけたからっス。」

「大した脅しじゃないよ?」

昨夜『朝来なかったらあげないからね!』ってな文章を送った

「だってほら、必需品は持ってた方がいいよ?」

ちゃんそろそろ必需品は何か教えてくれないか?」

「ジャジャジャジャーン!紙袋でした〜。」

「「「「「「「「「紙袋!?」」」」」」」」」

「何でそれが必需品なんスか?」

「薫ちゃんいい質問!だって皆超もらうじゃん。だから多めに2、3枚。」

先輩!あとそこに積んであるダンボールは何なんスか?」

「あぁこれは緊急対策用。」

「「「「「「「「「緊急対策!?」」」」」」」」」

何だか今日は息ピッタリな青学レギュラー・・・。

「もし、紙袋でも足りない時はダンボール用意してあるから。」

「紙袋2枚ぐらいなら足りるだろう。」

「チッチッチ。甘いよ手塚〜。茜に聞いたもん。毎年ハンパじゃないって。」

「確かに去年は不二、手塚、菊丸はTOP3に入っていたからな。」

ちゃっかり去年のデータも取っていたデータマン。

「じゃあそろそろ私は退散しないと。」

どこ行くの?」

「教室。」

もう帰っちゃうの?」

「だって・・・・既に外から声が聞こえない?」

・・・・確かに言われてみれば黄色い声がちらほらと。

「じゃあ私はそこの窓から退散するからがんばって〜。」

!そんな所から出るんじゃない!」

「イヤ〜私も恐いから〜。」

「じゃあ俺が一緒に出てやる。」

「それなら安心だ!」

手塚以外のメンバーはムッとしていましたがとりあえずを逃がす事は(?)成功。

「不二〜はチョコくれないのかな?」

「でも昨日たっくさん作ってたよ。」

「マジ!?何でそんなに作ってたんだろ〜義理チョコ?」

「さぁ?僕にも全然教えてくれなかったし。っと、そろそろ時間だね。」

あと始業ベルまで30分。まぁ遅刻することは目に見えている。

「じゃあ行くぞ。」

大石がドアを開けるとそこは女の子の嵐。

「キャー不二先輩!」

「エージせんぱーい!」

「リョーマ様ぁ〜〜!!」

そしてレギュラー陣が教室に帰ったのはそれから40分後の事だった。







「菊丸先輩、これ作ったんですけど受け取ってください。」

「菊丸くんこれよかったら食べて。」

「お〜さんきゅ!」

「不二先輩これよかったらもらって下さい。」

「ありがとう♪(ニッコリ)」

休み時間も36は大騒ぎ。女の子がひっきりなしに来てチョコを渡している。

「英二も周助も律儀だよね〜。」

は渡さなくていいの?」

「今渡したらぐちゃぐちゃになる気がする・・・。」

「それにちょっと恐いしね。」

のカバンの中には9+αのチョコが・・・・さぁ運命の放課後まであと少し!





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