兄貴襲来! (2)


「なぁー。今度」

〜バンソーコーちょうだい!」

「はいはい。」

「だからさ、。俺と」

ちゃん、ちょっとこっち手伝ってくれるかな?」

「わかった。今行く!」

「…」

リョーガが声をかけようとする度にレギュラー陣のを呼ぶ声。

「よし、10分休憩!」

「(チャンス!)。俺とテニスしようぜ!」

「私じゃ相手にならなくてつまらないと思うよ?」

「でもできるんだろ?やろうぜ!」

「でも…。」

はうれしいような困ったような顔でレギュラー陣を振り返る。

テニスしたいんでしょ?やっておいで。」

「周助…何でまた私のラケット持ってるのよ…。」

「何でだろうね♪(ニッコリ)」

まぁ大方の部屋に勝手に入って取ってきたのでしょう。

「リョーガくん、お手柔らかによろしく!」

「それじゃあ…行くぜ!」

綺麗な弧を描いてボールが互いのコートを行き来する。

中々やるじゃねぇか!」

「そう?ありがとっ!」

笑う余裕があるのかニッコリ笑いながらリョーガに返球する。

先輩楽しそうっスね。」

「俺もと打ちたい〜。」

には断られると思うけど?(ニッコリ)」

「何でだよ〜。」

不二はニッコリ笑ったまま何も答えない。

「不ー二ー!不二ってばー!」

、そろそろ練習を再会するぞ。」

「あ、はーい!リョーガくんありがとね。」

「またやろうな!」

「うん。全国大会終わったらまた遊びに来てね。」

の言葉を聞いてようやく英二は理解ができたようだ。

〜〜〜〜!!!」

「わ!どうしたの、英二。」

「やっぱは俺らのマネージャーだね!」

「ん?何言ってるの〜?ちゃんとマネージャーだよ?」

英二の発言がおかしくてはクスクスと笑う。

、はいドリンク。」

「ありがと周助。リョーガくんも飲む?」

「お、サンキュ〜!」

「キミのはこっちだよ?(ニッコリ)」

「ん?」

不二が差し出したボトルには…端っこに小さく…アノ文字が…

「(ごくごく)…うわっ!何だこれっ!#$&‘#%&!」

「リョーガくん!?大丈夫!?」

「あれ?間違えて違うボトル渡しちゃったのかな?(ニッコリ)」

「しゅ・う・す・け〜〜〜!!!!」

がギロッと不二を睨みつける。これは…怒りを買ってしまったようですね。

「全く周助は…リョーガくん、こっちに来て休んでて。」

「何だったんだよ…これは…あ〜にげぇ…。」

「…知らない方が身のためかも…。」

「ん?」

その時夏の暖かい風が吹き…ふわっとオレンジの香りがした。

「リョーガくんって…香水とか付けてるの?」

「いや?別に。」

「リョーガくんオレンジの匂いがする…。」

「あ〜俺いっつもオレンジ食ってるからな。」

今日も持ってきたぜ?とバッグからオレンジを取り出した。

「私もオレンジ大好き〜。おいしいよね〜。」

「ま、おいしいのもあるけど…俺には思い出ってのが大きいかな。」

「思い出?」

「また今度話してやるよ。どーせまた遊びに来るからな。」

と言ってバッグをかついで立ち上がる。

「え、帰るの?」

「寄る所もあるしな。」

「リョーマ!リョーガくん帰るって!見送ってあげなよ!」

に言われちゃやるしかない…リョーマは渋々やってきた。

「もう来なくていいから。」

「リョーマ!そんな事言わないの!」

「チビすけ、ちょっと。」

「何。」

リョーガが手招きするとリョーマはとリョーガを離れさせるように来る。

「そんなにしかめっ面するなよ。は最初っから俺は目に入ってないんだぜ?」

「は?どういう事?」

はお前が俺に似てるんじゃなくて、俺がお前に似てるって言ったんだぜ?」

「…。」

「ったく青学の奴らはまだまだだぜ。」

オレンジと共に現れた兄貴は…その香りをベンチに残して行ってしまった…。

「いいお兄さんだね。」

「…そうっスか?」

「私にもお兄さんいたらあんな感じがいいな〜。」

そのセリフを聞いてリョーマは何だか安心してニヤッと笑ってに言った。

先輩、今日うちで一緒にテニスしません?」

「部活の後に?疲れてないの?」

「俺だって久しぶりに先輩と打ちたいっス。」

「リョーマがヘーキならお相手させていただきます♪」

もちろんそれを聞いたレギュラー陣(ごく一部)はギャースカ
文句を言ったのだが、にぴしゃりと言われなくなく諦めたのだった。





〜オマケ〜

リョーマの家につくと玄関にきちんと揃えられたスニーカーがあった。

「あれ?お客さん来てるの?」

「別に気にしなくていいっスよ。先輩こっち。」

「帰ったか青少年。お、ちゃんもいらっしゃい。」

「こんにちは。少しコートお借りします。」

がぺこりとお辞儀をすると南次郎はニヤニヤを笑いながら2人を見る。

「今日は懐かしいお客が来てるぜ。」

「は?懐かしい客?」

「よ。チビすけお帰り。と一緒だなんてやるな〜。」

「「リョーガ(くん)!!」」

居間からひょっこり顔出したのは…先ほどまで青学にいた越前リョーガ。

「何でここにいるわけ?」

「そりゃ南次郎さんに挨拶に来たに決まってるじゃねーか。」

「…先輩、早くコート行こう。」

「え、あ、うん。」

リョーマに手を引かれ行くだが…もちろん後を追うリョーガ。

「付いてくんな!!」

「えーいいじゃんかー。なぁ?。」

「うん。」

「…!」

結局今日一日リョーマはリョーガに呪われて散々な一日になったのだった…。





〜オマケのオマケ〜

「でもリョーマだってリョーガくんに会えて絶対嬉しかったはずだよ。」

と、後日は不二に話していたそうです。





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