不思議のマネちゃん (後)


不二からの差し入れというワナに見事はまった

「レギュラージャージ…だよね?」

自分よりはるかに大きい布切れを見てつぶやいた。

「掃除しなきゃだけどココはどこだ?」

丸い木が4本。そして灰色のビルみたいなものが所せましと並んでいる。

「おかしいな…私部室にいたはずなのに…。」

今も部室にいるんですけどね。

「とりあえず、ココは部屋っぽいからドア捜さなきゃ。」

はドアをというかドアノブを捜した。

「ないじゃん!何でこの部屋こんなに広いのよ!部活に戻らなきゃ〜。」

そしてその頃コートでもが戻って来ないのを不思議がっていた。

遅いなぁ〜。」

「またゴキブリでも出たんじゃないっスか?」

「だったら叫び声がするよね。」

にしては長い時間かかっているな。」

「俺ちょっと見てくるよ。」

母大石が部室に走って行った。







「おかしい!」

は歩き疲れ座り込んでいた。

「どうしてドアがないわけ?何か見た事ある感じだけど…。」

とその時ドドドっという音とバタンという音がした。

「な…なんなんだ?」

はその振動に地震かと思い、近場の木(と思われるもの)の影に隠れた。

「巨人!?ここは巨人の国なの!?」

「あれー?ちゃんいないなぁ。」

「しかも聞いた事ある声だな…。」

ちゃーん。いないのかい?」

「大石!?の声だよな…。大石ー。私ここにいるよー!」

がぴょんぴょん跳ねるが大石は一行に気付かない。

「いるってばー!大石ー何で巨人なんだよー!」

「ん…?キーキーいってるな?何だろう…?」

大石はとりあえず何かいるのかと歩き回った。

「わっわっ。揺れる揺れる〜。」

はぐらぐら揺れながらも大石に近づいてみた。

「大石ー。大石ってばー!」

は一生懸命大石のズボンのすそを引っ張った。

「あれ?人形?にしてはよくできてるな…。」

「大石ー。私だってば!」

が言っても大石にはキーキー聞こえるだけ。

「しかもちゃんに似てるし…まさか本当にちゃん?」

「そうだってば!」

は大声で叫びながら首を縦に振った。

「え、あ、どうしたの?とりあえず手塚に言わないと…。」

「大石、あれあれ。」

大石はが指差した物を持ってコートに走って行った。







「と、いうわけなんだよ手塚。」

「不二、乾、どういうことなんだ?(怒)」

「少し計算が狂ったな…。」

は地面に立ち、リョーマの足をぽんぽん叩いた。

「何スか先輩。」

「リョーマ、肩のっけて。」

は身振り手振りもつけて言った。

「うぃっす。」

リョーマはを肩にのせ大石が持っていた拡声器をの前に構えた。

〜。だいじょぶ?」

「だいじょぶじゃないよ。」

の声は拡声器を使っても小さかった。

「周助。これはどういうこと!」

「乾配分間違えたんじゃない?」

「どうしてこんな事したのよ!!」

小さくなりたいって言ってたじゃない。」

「小さすぎだ!」

「でも本当不思議のアリスみたいだね。」

「うれしくない〜〜〜。」

「不二、乾、は元に戻らないのか?」

手塚が恐ろしい事を聞いた。

「ちょっと戻らなかったら困るし!!」

「戻るに決まってるじゃない♪」

「だったら早く戻しなさいよ!」

怒っているけれどそうは聞こえないの声。

「ちょっと失敗したみたいだからね。乾、あの薬は?」

「ここにあるが・・・・はどうやって飲むんだ?」

「そうっスよね。小さいからコップじゃ飲めないし・・・・。」

「じゃあコップにストローさして。そんで飲むから。」

乾はに言われたとおりに細めのストローをコップに差し込んだ。

「リョーマ私が飲んだら私の事地面に置いてね。」

「了解っスよ。」

が一口ちゅ〜っと飲むとリョーマはを地面に置いた。

と同時にがぐぐ〜〜〜っと大きくなった。

「ふ〜。私元のサイズに戻った?」

「そうだね、僕と同じぐらいだから♪」

「・・・・手塚。2人をよろしく(怒)」

「不二・乾グラウンド50周!!」

「クスッ。仕方ないね。」

「いいデータが取れたしな。」

2人は走らせられたけど何だか満足そう。

先輩。」

「何?リョーマ。あ、さっきはありがとね。」

「それはいいっスけど、どうして俺だったんスか?」

「え、あー・・・・・リョーマが1番いいかな?と思ったのよ。」

決してリョーマが1番低いから危なくなかったなどとは口が裂けても言えないだった。

「でも周助と乾がタッグ組んだら本当に世界征服できそうね。」

・・・・恐ろしいからそんな事は考えるな。」

こうしての不思議体験は幕を閉じた。





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