不思議の国のマネちゃん (前)


「あ、乾。頼まれた本持ってきたよ。」

「でも不二、よくこんな本手に入れられたな。」

不二から乾の手に渡されたのはめちゃめちゃ妖しげな本。

「こんな本なら家にたくさんあるよ。」

「……そうか。は知っているのか?」

「たぶん知らないよ。」

「その方が好都合だな。」

「そうだね♪じゃあ楽しみにしてるよ。」

そう言って不二は教室に帰って行った。







そして…そんなブキミ会話が行われた1週間後の放課後。

「周助ー、英二ー、部活行こー。」

「やっと部活だー。」

「あ、僕用事あるから遅れて行くって手塚に言っといてくれる?」

「先生からの呼び出し?」

「不二が〜?めずらしー。」

「クスッ。まぁそんな所かな。だからよろしくね。」

「わかったー。じゃあねー。」

と英二が出て行った後不二は乾の教室に向かった。

「乾、できたの?」

「まぁな。試してはいないがとりあえず作り方通りに作ったぞ。」

机の上にあるオレンジ色の液体。パッと見はオレンジジュース。

「本当に実験させるのか?」

「だっておもしろそうじゃない?」

「普通は逆に別の奴で試さないか?」

「だってが言ってたんだし。」

が?」

「2週間ぐらい前なんだけど」





「周助さ、背大きくなりたい?」

「うーん…ものすごくってわけでもないけど?どうしたの?」

「私小さくなりたいの。」

「?何でまた。」

「だって大きいとかわいくないし。」

は充分かわいいよ。」

「だってさー、私リョーマより大きいし、周助とも大してかわんないし。」

「(…それは=僕が小さいってことじゃないか。)……小さくなりたい?」

「あげれるもんなら身長欲しい人にあげたいよ。」

「じゃあ越前くんは欲しがりそうだね。」

不二、それはちっとリョーマに失礼だろ。

「私ももう5、6cmいらなかったんだけど。」

「テニスには有利だけどね。」

「まぁ、いくら言っても小さくなれるわけないけどさ。」

「そうだね。」





「と、いうわけなんだよ。」

「…確かにの言いそうな事だな。」

はそれでもかわいいと思うけどね。」

「まぁな。」

「ところでもう1つの薬もできてる?」

「あぁ。これは俺が持っている。」

「じゃあそろそろ部室に行こうか。」

そしてその頃コートでは?

「手塚ー、私部室の掃除してこようと思うんだけど…。」

「あぁ、今のうちにやった方がいいからな。」

「よっし、行ってきまーす!あ、周助と乾が来たよ。」

「遅いぞ。2人とも何をしていたんだ?」

手塚が睨み付けて言うと不二はいつもの笑顔で言った。

「ナイショ♪」

は部室か?」

「あぁ掃除をすると言っていたぞ。」

「へぇ。じゃあ後で手伝いに行こうかな?」

「…さっさとコートに入って練習しろ。」

「後で絶対行く事になると思うけどね♪」

「データからいくと20分後だな。」

「……お前等何か企んでないか?」

「「全然。(ニコッ)(キラン☆)」」

「(その笑顔と逆光はかなり怪しいが…。)」

そう思ったが追究するのも何だか不安なのであえて聞かなかった。







不二と乾の思惑も知らずは部室に着いた。

「ありゃ…まーた汚れてるよ…まったく…。」

とりあえず下に落ちている袋とかを拾う

「またアイツ出たらヤダなぁ。」

アイツを警戒しながら掃除をする

「あれ?置き手紙?」

それがワナとも知らずに机の上に置いてあった手紙を読む

「えっと、『へ、いつもお疲れ様。これはがんばってるに差し入れだよ♪』この字は周助か。」

は目の前の飲み物と食べ物をジーッと見つめた。

「オレンジジュース…だよね?クッキーもあるし。」

は周りを見回して誰かいないか捜した。

「でもなーんか怪しいなぁ…。」

は怪しみながらも手はクッキーの方へ伸びていた。

「ジュースはペットボトルだしだいじょぶだよね…?」

はクッキーを一口食べてみた。

「あ、おいしい…。手づくりっぽいけど周助…じゃないよね。」

そしては魔のワナ、ジュースへ手をのばした。

「あ、オレンジジュースみたい。結構イケる。」

がググッと一気に飲むと急に目の前がぐにゃぐにゃしてきた。

「うにゃ〜。これは・・・・夢なのかな????」

その自分の声を最後にはバタッと・・・イヤ、コテッと倒れた。







「ん〜〜。あ、大変コート戻らなきゃ・・・ってあれ?ここどこ?」

は辺りを見回すがどう見ても今までの景色と違った。

「何かでかいビルみたいなのあるし。しかも・・・・何これ。」

がトテトテと歩いていると何だか大きな布の山にぶつかった。

「・・・・青学ジャージ??でかいバージョン??何ココーーーーー!!!!」

さぁ、マネージャーの運命やいかに!!





BACK   NEXT