Youthful days


―――今は同じ場所目指し 同じ道を抱く僕ら
   いつかはそれぞれ 違う道をゆく
   その日が来るまでずっと 一緒に歩いて行こう
   そして叶えよう 一つの願いを―――



「よーし。今日の練習はここまで!上がってよーし。」

「皆お疲れ様ー。」

関東大会初戦が終わって数日後のある日の部活・・・・。

「手塚、今日何か予定あるか?」

「いや、別にないが。」

「そうかだったら・・・・・・・・・。」




「エージ先輩、この後ハンバーガー食べに行きません?」

2年のくせ者桃がいつものようにお祭コンビの片割れ英二を誘う。

「行く行く。も一緒に行こうよ〜。」

「え・・・んーどうしよっかな・・・周助はどうする?」

不二家に居候中のは不二といつも一緒に帰るため、不二の意見を聞く。

が行くなら僕も行くよ♪」

「(不二は誘ってないのに・・・)」

「じゃあ皆で食べに行こ♪」

「食べに行くのはいいが、その代わり夜は空けておいてくれよ。」

大石が先ほどの手塚に言ったのと同じくこちらのメンバーにも伝える。

「夜?」

「夜ねぇ・・・。」




「乾、ちょっと頼みがあるんだけど・・・。」

「ん?珍しいな。タカさんが俺に頼み事なんて・・・。」

「実は・・・。」

「ちょっと待った!俺も2人に頼みがあるんだ。」

「「ん??」」

大石が走ってきて乾と河村にも用件を伝えた。




「海堂!越前!」

「何スか?」

「今夜暇かい?」

「「??」」

こうして大石の密かな計画がレギュラー陣全員に知れ渡った。





そして夜。青春台駅近くの公園にレギュラー陣の姿があった。

「大石来てないね。」

「いつもならもっと早くついてそうなんだけど。」

「大石先輩の用って結局何なんスか?」

ベンチに座ってファンタを飲みながらリョーマはかったるそうに聞いた。

「さぁ?何だろねー。」

「何だ、英二も知らないのか。」

「タカさんは?」

「いや、俺も知らない。」

「手塚、何か聞いてる?」

「いや。」

結局誰も大石の計画を知らずにこうして全員集まっているのであった。

「あ、大石来たよ。」

「ゴメンゴメン、遅くなって。」

「もー。自分から呼び出しておいて遅いぞー。」

「で、用って何なの?」

「皆で山に登るんだ。」

大石がいつものように爽やかな笑顔で言った。

「「「えっ!?」」」

「山・・・・・今から?」

「皆で朝日を見るんだ。皆一緒だ、きっと気持ち良いぞ。」

大石はものすごく張り切っているのだが、皆の顔が乗り気ではない。

「どーしたんだ?皆。」

「あーあ。急に呼び出すから何かと思ったら。」

「マジで言ってんスか?」

「時々青春モードに入る時があると思ってはいたが・・・。」

「どーする?越前。」

「俺パス。」

リョーマはキッパリと言い放つ。

「・・・何で?皆行きたくないのか?」

「・・・・いいじゃない。皆、行こうよ。」

「そうだね、山頂からの朝日って見た事ないし。」

の言葉を皮切りに3年生は次々と賛成していく。

「どーする越前・・・。」

「桃先輩こそどーするんスか・・・。」

桃とリョーマはまだ渋っている様子。

「大石は関東大会後半に向けて気持ちを引き締めたいんだよ。」

「よーし決まり!皆で山へ行こー!!」

「まさかこの期に及んで行かないなんて言わないよね??」

不二の近くにいるためかのこの笑顔はどことなく不二に似ていた・・・

「ふしゅぅ〜・・・。」

先輩に言われちゃ逃げらんねぇな、逃げらんねぇよ・・・。」

「はぁ・・・・。」

「よーし!山へ行こーー!!」

「「「「オーー!!」」」」





夜の電車の中、ほとんど人もいなくトランプをする事に。

「何やる?」

「やっぱポーカーでしょ。部長もやりましょうよ。」

桃が1人窓際に座っている手塚に声をかける。

「手塚、やろやろ!」

「順番順番。」

ちなみに1年生ルーキーは1人夢の中・・・

「ちぇーワンペアだ。」

「俺ツーペア。」

「フルハウス。」

「さすが周助・・・手塚は?」

手塚は表情を変えずに5枚のカードを見せる。

「ロイヤルストレートフラッシュ。」

「「「「「えーーーーーー。」」」」」

「クスッ、やっぱり手塚には敵わないね♪」





電車を下りて自分たちの足音しか聞こえない静けさの中、山を登った。

「ねー大石ー今日曇ってて朝日なんて見えないんじゃないの?」

「そんな事はないさ・・・・。」

チラッと腕時計を見ると後5分で日の出である。だが・・・雲が一向に晴れるそぶりを見せない。

「・・・・・・・・はぁ・・・・・」

「大石、見て見て!」

がうなだれる大石の袖を引っぱった。

「朝日っスよ。」

「えっ・・・・。」

ビルの陰からレギュラー陣を照らすように昇る朝日・・・・

「朝日だ。」

「朝日だ。」

「朝日だ・・・・朝日だーー!!!」

大石は両手を上に上げ朝日に向かって大声で叫んだ。

「やったねー大石ー!」

「やったぞ英二、朝日だ!!」

肩を抱き合って喜ぶ黄金ペア。

「越前、朝日だ朝日だ!オイ!」

「ちょっ痛いっスよ桃先輩。」

1番嫌がっていた桃とリョーマもとても嬉しそう。

「キレイだね・・・・山登りは辛かったけど・・・。」

「あれ、もうバテたの?」

「うっ・・・・まだまだ大丈夫だもん。」

その後は不二がカメラでレギュラー陣の写真を撮って行く。最後は・・・もちろん・・・

「おいマムシー早く来いよー。」

「手塚も。早く早く!」

「よしっ撮るよ。」







―――今は同じ場所目指し 同じ道を抱く僕ら
   いつかはそれぞれ 違う道を行く
   その日が来てもみんなが 確かにここにいたこと
   一枚の写真 教えてくれるよ―――





BACK