お星様にお願い! |
「わー。タカさんどうしたの?それ。」 「常連のお客さんがたくさんくれたんだ。」 「…結構おっきー…。」 7月7日。今日は七夕です。 「うちに何本もあってもしょうがないからね。」 「じゃあ部活終わったら短冊書こうよ!」 そう、河村が持ってきたのは七夕には欠かせない笹だったのです。 「今日は天気も良さそうだから天の川見れるかな?」 「どうだろう…山まで行くと見えそうだけど…。」 ほのぼのムードの2人に他のレギュラー陣は気が気じゃありません。 「よーし!職員室から画用紙もらって頑張って短冊作るぞー!」 「…短冊って切るだけだよね?」 意気込んで言うに冷静なツッコミ(?)を返す河村。 「タカさん!そこは突っ込まなくていいの!」 「ハハ…ゴメンゴメン。」 「もー。…あ、でも折り紙で飾りは作んなきゃ!」 「じゃあそっちは頑張って。」 「うん!」 ほのぼのムードの2人他のレギュラー陣は…呆れムードです。 「何アレ。」 「いい雰囲気なんだかそーじゃないんだか…。」 「で、何で俺達こんな陰から見てるんスか?」 「データが取りやす」 「は話の腰を折られるの嫌がるからだよ♪」 「そろそろ俺達もコートに戻らないと…。」 そうです。全国に向けて練習しないとです。 授業中、後ろの席なのをいいことに内職を始めるですが…? 「…んー…。」 「何でさっきから折り紙とにらめっこしてんの?」 「七夕の飾りってどんなのがあったかなぁーって。」 「七夕やった事ないの?」 「あるにはあるけど飾り作ったのなんて小学生の時だもん。」 「じゃあテキトーに作っちゃえば?」 「「…………」」 英二が珍しく使える意見を言うので不二とは顔を見合わせます。 「…何だよー。」 「いや…英二がまともな事言うなんて珍しいなぁーと思って。」 「雨降らないといいね♪」 「2人ともヒドイすぎ!」 「菊丸!静かにしろ!授業中だぞ!」 「…スイマセーン。」 謝る英二にクラスからは笑いがこぼれます。それを見ては心底羨ましそうに呟きます。 「…英二オイシイなー…。」 「…ってたまに変だよね…。」 「そう?」 そして部活終了後、とレギュラー陣で笹の飾り付けです。 「さーさーのーはさーらさらー♪のーきーばーにゆーれるー♪」 「先輩ご機嫌っスね。」 「だって楽しいもん!」 「でもちゃん、あれも笹につけるの?」 大石が指差した方には36トリオの内職の成果である折り紙の山。 「…鶴がたくさんあるけど…。」 「飾り作ろうと思ったけどちゃんと折れるのって鶴だけなんだもん。」 「「右に同じく。」」 ってわけでたくさん鶴がついてる笹が完成しました。 「さぁ!短冊に願いごと書かないとね。」 「…先輩。」 「何〜?」 「…一体1人何枚書くつもりなんスか…?」 机の上に置かれたたくさんの短冊。だが今ここには9人。 「…何か作りすぎちゃった♪書きたいだけ書けばいーよ!」 「いいんスか!?そんなんで。」 「…多分♪」 各々ペンを取って書き始めますが…はケータイとにらめっこ。 「ー。何でさっきからケータイ見つめてんの?」 「メール待ってんの。」 「誰からの?」 「手塚からの。」 「「「「「手塚(部長)からの?!」」」」」 さらりと言ってのけるにレギュラー陣は声を大にして驚く。 「何で手塚からのメール待ってるの?」 「朝ね、『何かお願いごとあったら代筆するよ?』って送ったの。」 「まだ返って来ないんスか?」 「そーなんだよー。」 電波が悪いのかと携帯を振るに乾がデータ帳を開く。 「、今までは早く返ってきていたのか?」 「んー…そうでもない気がする…。ちょっと遅めかなぁ?」 「…やはりそうか…。」 乾がノートに新たに何か書き加えた。 「何がやっぱりなの?」 「手塚は…機械音痴なんだ。」 「あー…わかるかも。」 「わかるんスか?!」 「手塚は携帯を買った際に説明書を隅々まで読んだのだが、今でも説明書片手にメールするという有様だ。」 「そーなんだ〜…じゃあ電話するかなー。」 乾の言葉を信じこんだは迷う事なく手塚に電話しました。 「…もしもしー?手塚ー?」 『どうしたんだ?』 「どうしたんだ?じゃないよー。願いごとはー?」 『願いごと?』 「えー!朝送ったじゃん!」 『…届いていないが…。』 「そっちって電波悪いの?」 『いや…悪くはないが…。』 どうやら話が食い違っているようです。すると英二がある事に気づきます。 「手塚さー…問い合わせしてないだけじゃないの?」 「その可能性は高いね♪」 「部長ってホントに機械音痴なんスか?」 「携帯はさすがの手塚でも操作できるがな。」 機械音痴説はあながち嘘でもなさそうですね。 「もー手塚〜。何か願いごとないのー?」 『…今は全国の事だけだ。』 もちろんに言える事はーですけど。 「じゃあ代筆しとくよー。」 『あぁ。頼む。』 「ちゃんと手塚からもメールしてよ?」 『あぁ…。わかった。』 「ホントね?」 『あぁ。本当だ。』 「んじゃ早く帰って来てね。じゃあねー。」 手塚の願いも無事に(?)聞け、短冊をつけて豪華な笹ができあがり! 「すっごいじゃらじゃらついてる〜。」 「ちゃん、これどこに飾ればいいんだい?」 「やっぱ外かなぁ。」 部室の外に出ると…空には満天とは言えませんが星が煌めいています。 「わー…いっぱい見えるね〜キレー…。」 「東京でもこんなに見えるんスね。」 「願いごと叶いますように…」 パンパンと手を叩いては祈ります。 「、それ神社だから…。」 「何お願いしたの?」 「内緒に決まってんじゃーん。」 「えー。」 「でも私の願いごとは叶えてくれそうな気がする。」 「どうして?」 「途切れた事がないから♪」 「「「「「???」」」」」 ニコニコと楽しそうに言うですが、レギュラー陣は首を傾げます。 「さ、遅くなっちゃったし早く帰ろ!」 「〜教えてくんないのー?」 「もちろん♪」 「えー!!」 楽しそうに笑うの短冊は全国制覇の短冊と共に1番上で揺れてます。 『楽しい今がずっと続きますように!』 BACK |