年越しそばで除夜の鐘。 |
「ねぇねぇタカさん!そば作れる?!」 「えっ!?」 めったに自分に話題を振られないため急にが話を振って驚く河村。 「そばって・・・自分で打つそばって事?」 「そうそう。そば粉とかから作るそば。」 「作った事はあるよ。作り方も・・・いちお覚えてるかな。」 「じゃあさじゃあさ、年越しそば作ろうよ!」 はパンと手を叩いて嬉しそうに言った。 「、何でいきなりそばなの?」 「年越しそばだよ。皆で作って皆で食べるの。楽しそうじゃない?」 「でも?今年は僕と除夜の鐘撞きに行くって言ったじゃない。」 「あ。そっか。」 はおでこに人差し指を当ててうーんと考え込んだ。 「ってか不二先輩。何先輩と2人っきりで出かけようとしてるんスか。」 「そうっスよ。抜け駆け禁止じゃなかったんスか?」 「言い出しっぺは僕じゃなくて姉さんだからね♪」 不二は後輩2人の抗議を軽くかわす。 「じゃあさ、ちゃん。そば作って早めに食べてから除夜の鐘撞けに行ったら?」 「タカさん、それぐらいで作れるの?」 「うん。早めにやればできると思うよ。」 「本当ー。じゃあさ、皆でそば作って皆で撞きに行こうよ!」 はいいアイデアだ!と思って自分で手をパチパチとならす。 「?僕と2人っきりで行くって約束は?(ニッコリ)」 「え・・・・えっと・・・でも皆で初詣も兼ねて行こうよ。ねぇ手塚?」 「(なぜここで俺に振るんだ!)・・・・あぁ・・・いいんじゃないか。」 「でも〜。そばなんてどこで作んの?」 「あ、そっか。」 は尤もな事を質問されまた額に指をあてて考える。 「俺の家はどうだ?幸い除夜の鐘を撞きに行くには一番近いと思うが。」 意外と手塚はノリノリのようだ。 「でも迷惑じゃないのかい?」 「だいじょうぶだろう。賑やかな方が母さんが喜ぶ。」 「よーし。決まり!材料は・・・・タカさん。一緒に買いに行こう。」 「あ、うん。」 「、僕も荷物もちで行くよ。」 「先輩!力仕事なら俺に任せて下さいっス!」 結局いつものように全員でお買い物。河村のいいトコ取りはまた今度。 「あとはこれを踏んでこねるんだよ。」 「へぇ〜。やりたいやりたい!」 12月31日。昼頃から全員で手塚家に行き、そば作り開始。 「〜。俺もやりたい〜!」 袋にこねたそば粉を入れた物を踏んでいたを英二がキラキラした目で見てきた。 「いいよ〜。何か不思議な感じで気持ちいい〜〜。」 「これ楽しい〜。」 「エージ。はしゃぎすぎて袋破るなよ。」 「そんなヘマはしないって!」 そば作りは河村の指導で至って順調。おいしいしこしこの麺が出来上がった。 「すごーい。本当にできちゃった。」 「・・・・先輩疑いながら作ってたんスか?」 「違うけど〜・・・・すごいなぁ〜と思って。」 「手塚、余った分があるから家族の皆と分けてよ。」 「あぁ、すまない。」 そして、実はメインイベントだった除夜の鐘撞きに繰り出す御一行。 「うっひょー。何か既に人がいっぱい・・・だいじょぶかなぁ・・・・。」 「でも除夜の鐘って108つでしょ?だいじょぶじゃないスか?」 「そうだね。1人1人が撞くわけでもないだろうし。」 「楽しみだな〜。私除夜の鐘って撞いた事ないしさ〜。」 「えぇ〜マジで?」 「うん。たぶんね。」 そうこうしている内に時間は過ぎ、風が少し出てきた。 「うぅ〜・・・寒〜い・・・・。」 「だいじょうぶか?。」 「俺と乾で風よけてあげるよ。」 「ありがとvv」 一番背の高い乾と河村に風をよけてもらい2人にニッコリと笑いかける。 「(ちくしょー。ちょっと背が高いからって。)」 「(さすがに3cmじゃムリか・・・。)」 「(僕を挑発してるのかな?乾とタカさんのくせしていい度胸だね♪)」 「(・・・・・牛乳もう1本増やそう・・・)」 背があまり高くない組はジトーッと2人を睨んだ。 「あ、やっと撞き始めた。でも・・・・間に合うかな・・・・。」 「結構人いるからね・・・・ギリギリぐらいだろうな・・・・。」 「うーん。折角願い事も考えてきたのに〜。」 「除夜の鐘って願い事しながら撞くんスか?」 「知らない。けど、ご利益ありそうじゃん。」 ゴーンゴーンと鐘が鳴る。そしてついに達の番。 「さぁ、108つ目ですよ。」 「えー。どうしよ。最後だって。」 一番前にいたが振り返るとそこにはニコッと(一部ね)笑ったレギュラー陣がいた。 「が撞きなよ。楽しみにしてたじゃない♪」 「そうっスよ。そのために願い事も考えてきたんでしょ。」 「え・・・・でも・・・・。」 「、早くしないと新年が明けてしまうぞ。」 「え・・・う・・・・うーん・・・・わかった!じゃあ皆で撞こう!」 「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」 の言葉に全員がハモって驚く。 「はい。皆で持って。せーの!『来年も全国せーは!』」 ゴーーーーーーーーーン・・・・・・最後の除夜の鐘が鳴り響き新年が明ける。 「みんな、あけましておめでとう。今年もよろしくね。」 が寒さで少し赤くなった顔でニッコリとレギュラー陣に笑いかけた。 来年も皆様にとっていい年でありますように・・・・・ BACK |