滑って走ってまた来週? |
「先輩一緒に行きましょうよ〜。」 「そうそう。こっちおいでよ〜。」 「イーヤー。私は一生こっちでいい〜。」 「先輩…まだまだだね。」 「今日はまだまだでもいい〜。」 事の起こりはそう…今から2時間ほど前の事…… 「、スケートは好きか?」 「スケート?うん。たぶん好き〜。」 「手塚?この僕の前でをデートに誘うとはいい度胸だね。(黒オーラ)」 「部長抜け駆けはいけねぇなぁいけねぇよ。」 「…誰もデートとは言ってないだろう。スケート場の入場無料券があるんだ。」 と言って手塚は眉間にシワを寄せながら3枚のチケットを出した。 「青春台スケートリンク…3枚もあるんだ。今日ちょうど午後の部活休みだし皆で行こう!」 「先輩スケートできるんスか?」 「…1回やった記憶あるけど…ローラーブレード得意だったからヘーキだよ!」 「だったって過去形だよね…。」 「あぁ…少し心配だな。」 青学の母大石の心配は見事的中するのだった…。 「スケート楽しみ〜。」 ウキウキ気分のは早速靴を履いてリンクに出て滑ろうとするが……。 「わわっ。」 「!?だいじょうぶ?」 「……だいじょぶじゃないみたい。」 は手すりにしがみついて苦笑いする。 「、僕が支えてあげるからおいで。(ニッコリ)」 「…目がいたずらしたいって目なんだけど。」 「そんな事ないよ♪」 「だいじょぶ。ちょっと練習するから。」 は意気込んで手すりにつかまりながら滑…いや歩き始める。 「先輩一緒に行きましょうよ〜。」 「そうそう。こっちおいでよ〜。」 「イーヤー。私は一生こっちでいい〜。」 「先輩…まだまだだね。」 「今日はまだまだでもいい〜。」 が1人で1周した後、話はふりだしに戻る。 「ちゃん、俺が支えてあげるよ。」 見かねた母大石がに近寄る。 「大石ならヘーキそう…。」 「何かムカつく〜。」 大石に手を引いてもらい、前に進もうとしただが… 「や…やっぱ恐い〜!!」 「ちゃんそれじゃあバランス崩すって!!」 「やっぱ無理〜。」 「、スケートって転んで上達するんだよ。」 「だって…」 カッコ悪いんだもんとぼそぼそ呟く。 「、大丈夫だって!転びそうになったら俺が受け止めてあげる!」 「…うー…やっぱ濡れるの嫌だし…滑るから危険だよ。」 「先輩、エージ先輩より俺の方が力ありますよ!」 「なんだと!?」 「…じゃあ誰か一緒にぐるぐる回ろう?練習するから。」 交代交代での横にいて、アドバイスをしていく。 しばらくしてはようやく端っこなら手放しで滑れるようになった。 「見て見て〜。ちょっと滑れてる〜。」 「さすが僕の♪」 「じゃあ先輩、早速真ん中行きましょうよ。」 「そうだにゃ。そろそろヘーキだよっ!」 「うっ…支えてくれるもんがないよ〜。」 「じゃあちゃん、俺が片方支えてあげるよ。」 「もちろんもう片方は僕がやってあげる。(ニッコリ)」 ひょこひょこと危なっかしい歩みで真ん中に出る。 「、手出して。」 「ん?はい。」 「そろそろ行くよ。」 不二はの手を引っ張って後ろ滑りで滑っていく。 「キャー!怖い怖い怖い〜。」 「あー!不二ー!なぁにしてんだよー。」 「先輩怖がってるじゃないスか!」 「不二!グラウンド20周!!」 レギュラー陣の抗議の声にニッコリと笑うと不二はを抱きとめるようにして止まる。 「先輩、だいじょぶっスか?」 「………周助のバカ。」 は不二を睨みつけるが不二はいつもの笑みのまま。 「けど、ちょっと楽しかったでしょ?(ニッコリ)」 「…びみょ〜。」 「じゃあ、今度は俺と一緒に滑ろ?」 「早く行かないでね?」 「もっちろん!」 だが、すぐにを連れてスピードを出す英二。 「英二!ちゃん固まってるよ!」 「げっ!?…だいじょぶ?」 「…う…うん。何とか…。」 「そ?じゃあもうちょっと行こ〜。」 「ええええ…ちょちょっと英二!ってキャー!!」 そして調子に乗りすぎた英二はにポカポカ叩かれ、翌日グラウンド30周を強制されたのだった… BACK |