2人のサムライ〜The first Game〜番外編 |
「豪華客船でテニス?へー凄いじゃん!」 「桜吹雪さんっていう大富豪が招待してくれたんだって。」 「大富豪!へぇ〜楽しんで来てね♪」 はそれだけ言ってやっていた仕事を再開する。 「〜。」 「何?」 「一緒に行きたい〜とかないの?」 「行きたいけど…その日ちょうど約束あるし?」 「誰と?(ニッコリ)」 周りにいるレギュラー陣も興味津々での方を見ている。 「えっとね〜…侑士とがっくん♪」 「「「「「!!」」」」」 当のはR陣の心配をよそにニコニコと楽しそうだった…。 「…せや。桜吹雪彦麿っちゅう大富豪が青学を招待したらしいで。」 『アーン?桜吹雪彦麿?誰に聞いたんだ?その情報。』 「…え?何やて?よく聞こえへんのやけど…。」 『…しらばっくれるんじゃねぇよ。』 「そんな事あらへ」 「あーがっくんズルイー!私もタコ焼き食べたい!!」 「取ってミソ!」 『……。』 突然飛び込んで来たの声に跡部は絶句。 「…ってわけでから情報もらったっちゅーわけや。」 「ゆふひはれほへんはひへるろ?(侑士誰と電話してんの?)」 岳人からタコ焼きを奪い取ったは口にほお張りながら忍足に尋ねる。 『…忍足、と代われ。』 「残念やけどデート中やからな〜ほなまた明日。」 ピッ。跡部に有無を言わせず忍足は電話を切ってしまった。 「誰と電話してたの?」 「うちのワガママ部長とな。」 「ふーん…景吾はこういうお祭り来ないからね〜。」 少し残念そうに呟くを忍足がじっと見つめている。 「どしたの?侑士。私の顔に何かついてる?」 「…いや。その浴衣よう似合うてるで。」 「本当?ありがとー。」 今日のは赤い浴衣に髪を上の方でまとめて大人っぽい感じ。 「、金魚掬いやりに行こうぜ!」 「あーちょっと待ってよ〜!」 さっさと走り出す岳人には笑いながら追いかける。 「(…と2人きりで来るつもりやったけど…何か子守してる気分やな…)」 「侑士!早く行こ!」 が手を出して忍足に微笑む。 「(まぁ…えぇか。)、今日はトコトン遊ぼな。」 「うん!」 「あー!侑士抜け駆けすんじゃねーよー!」 手を繋いでる2人を見て岳人がギャースカ騒ぐ。 「がっくんも一緒に行こ。」 「…お、おう!」 の差し出した手を岳人も握り返し、仲良く屋台へ繰り出しました。 そして次の日… Prrrrrrrr…Prrrrrrrr…! 「ん〜…。」 は寝ぼけながら枕元のケータイに手を伸ばす。 「はい…もしもし〜。」 『…まだ寝てんのか?アーン?』 「景吾…朝っぱらから何の用〜?」 『もう昼過ぎだぜ。今から迎えに行くから出かける準備しとけよ。』 「え?どこ行くの?」 『海の上だ。』 「海の上!?何で?釣り?」 『わけは後で話す。じゃあな。』 「えー!!…あぁ…切れちゃった…。もー…。」 とりあえず着替えたり準備をしていると…家の前にデカイ車が停まった。 「え!?桜吹雪って大富豪は偽者なの!?」 海へ向かいながら跡部から説明を受けたはその事実に驚愕する。 「桜吹雪なんて大富豪は聞いた事なかったからな。調べさせたんだ。」 「皆大丈夫かなぁ…。」 「何を考えてるのかはわからねぇが…大丈夫だろ。」 「…何で景吾は敵校なのに助けに行ってくれるの?」 「…さぁな。」 「???」 2時間ほど車を走らせ、ようやく海についた。 「おー!海だ〜。」 「、こっちだ。」 「うわ…景吾ん家の船?」 「まぁな。ほら、手貸せ。」 「うん。」 跡部の手に掴まり船に乗り込んだ。 「わぁ!」 「!」 意外に揺れる船の上。はバランスが取れず跡部の体にギュッと抱き着いた。 「ゴメンね…船って乗り慣れなくて…。」 「ったくしょうがねぇな…。」 ドーン!!突然遠くから爆発音のような音が聞こえてきた。 「な、何!?今の音…。」 「おい!すぐ出発だ。」 「かしこまりました。」 跡部が操縦者に声をかけると船が急発進する。 「わ!」 「、危ないから中に入ってた方がいいぜ。」 「…いい。皆大変かもしんないからちゃんといる。」 しっかりと立ち音のした方向を目をそらさずにまっすぐ見つめている。 「フッ…それでこそ俺様が選んだ女だぜ。」 「景吾、何か言った?」 「いや…独り言だ。」 海を進んで行くと煙とたくさんの船が見えて来た。 「何か船だかりができてる!」 「おそらく警察関係だろうな。」 「え、じゃあ早く皆見つけないと!捕まる前に!」 「あいつらじゃねぇよ…桜吹雪は詐欺師だったらしいからな。」 跡部の言葉を右から左に聞き流し、はレギュラー陣を必死に探す。 「あー皆どこにいるんだろ…。」 と、その時軽快なリズムの着信メロディーが聞こえて来た。 「あぁ?こんな時に誰だ…もしもし?」 『跡部、今どこにいるん?』 「海だ。桜吹雪彦麿なんて大富豪なんていなかったからな。」 『助けに行っとるんか?柄でもないやん。』 「うるせぇ…あ!おい!身を乗り出すんじゃねぇ!!」 『?』 「だって景吾!皆がいたよ!あそこあそこ!」 「そんなに乗り出すと落ちるだろうが!」 跡部は片手に電話、片手にを掴んでいる。 『跡部どないした』 ピッ!最後まで言葉を聞かずに跡部は電話を切ってしまった。 「今そっちに船を着けてやるから少しは大人しくしてろ。」 「だって〜。でも皆無事でよかった〜景吾のお陰だね!」 にニッコリと微笑まれさすがの跡部も頬が赤くなる。 「あ!あれ跡部の船じゃん!」 「しかも先輩まで!」 「おーい!〜〜!!」 こちらの存在に気づいたレギュラー陣がに手を振ってくる。 「お〜い!」 「!だからそんなに乗り出すんじゃ…」 「うわぁ!」 ドッボーン!! 「「「「「(先輩、ちゃん、)!?」」」」」 「…ぷは…落ちちゃった…。アハハ…。」 「全く先輩…まだまだっスね。」 モーターボートに乗っていたレギュラー陣は跡部の船に乗り移って無事に港まで辿り着きましたとさ。 〜オマケ〜 「…くしゅん!!」 「…風邪引くぞ…。」 「手塚?」 自分が着ていたレギュラージャージをの肩にかける手塚。 「…ありがと♪今日の試合凄かったんだってね。」 「…誰に聞いた…。」 「周助。恐竜出てきたんでしょ?」 「!」 突然のセリフに手塚はギョッとなってを見る。 「私も見たかったな〜。」 「…あまりその事には触れないでくれ。」 「どうして?」 「…どうしてもだ!」 「しょうがないなぁ〜。今度見せてね?」 「…約束はできないぞ。」 そんな微笑ましい(?)2人の姿をR陣が嫉妬の目で見ていたのは…言わずもがな… BACK |