ひき初めにご用心


「38.5℃・・・・・完璧に熱だね。」

「う〜ん・・・・学校行きたいー。部活ー。」

「はいはい。今日は薬飲んで寝てなきゃダメ。」

季節の変わり目は風邪をひきやすいとはよく言ったものだ・・・・。

「今日に限って母さんも姉さんもいないから・・・・やっぱり僕休もうか?」

「う〜ん・・・・1人で寝てるからだいじょうぶ。」

「何かあったら電話でもメールでもしてね♪」

「わかったぁ〜。行ってらっしゃ〜い。」

フラフラとは手を振った。

「(本当にだいじょうぶかな・・・・。)」







「不二〜。今日どうして朝練来なかったの?」

「あぁ、が熱出しちゃったから・・・今日は休みだよ。」

「ガーーーーーーーン!!!!えー。じゃあ、俺早退しようかな。」

「無理に決まってるでしょ。そんなことしたらと手塚の両方から怒られるよ。」

「む〜。でもがいないとつまらなーい。」

英二がぶつぶつ言っていると手塚が教室に入ってきた。

「不二。朝練はどうしたんだ?」

「あぁ、が風邪ひいてさ。母さんも姉さんもいないから看病してたんだよ。」

「そうか・・・・が風邪をひくなんてめずらしいな。」

「心配だにゃ〜。」

「あ、というわけで手塚。僕今日部活休むから。」

「そうか。仕方ないだろう。」

「えー。不二ばっかズルイ!!俺もお見舞いに行きたい〜。」

「・・・・・」

「英二は来なくていいよ。うるさいから。」

「ヒドっ!」

英二はしゅるしゅると沈んでしまった。







そして放課後・・・・・

「あれ?今日先輩休みっスか?」

「そうみたいだね・・・・。あそこで沈んでるエージがそれを物語ってる・・・・。」

はぁーっと大石は胃をおさえながらため息をついた。

「えー、先輩休みっスか?やる気出ねぇな、出ねぇよー。」

「ケッ・・・・。」

海堂はそう言いながらもどこか沈んでいる。

「大石。部活はどうした?」

「あぁ、手塚・・・・ちゃんがいないから皆沈んじゃってるんだよ。」

「だってさぁ〜手塚ー。と不二を2人っきりにしたら危ないと思うんだけど!」

「そうっスよ!あの不二先輩だし。」

先輩があぶねぇなあぶねぇよ。」

「今日はお見舞いに行く確立98.56%・・・・・。」

「手塚・・・・皆ちゃんの事心配してるし・・・・・。」

「どうする?手塚。」

ここまで言われて手塚は行かないわけではない。しぶしぶながらも皆でお見舞いに行くことにした。




そしてその頃不二家では?

〜。熱下がった?」

「ううん・・・・まだ〜。さっきはかったら37.9だった・・・・って周助部活は?」

「もちろん休んだよ。(ニッコリ)」

「えぇー。ダメだよ。今からでも遅くない!部活行かなきゃ。」

「だいじょうぶだよ。今日は部活ないから。」

「へっ?」

がキョトンとした顔をした時ピンポーンとチャイムが鳴った。

ちょっと待っててね。」

「何だ?」

不二が出て行ってすぐにがやがやと声がしてレギュラー陣がの部屋に入ってきた。

「え?皆!!何してるの!?部活は!?」

、風邪はもうだいじょうぶなのか?」

「今日は部活休みになったんだよ。」

〜。だいじょぶ?」

「うん。朝よりは楽になったけど、まだ熱あるからそばに来たらうつっちゃうよ?」

先輩、風邪は人にうつした方が早く治るんスよ。」

「でもぉ〜・・・・・。」

、新作のジュースがあるんだが飲んでみるかい?」

「「「「「「「「「(乾特製野菜汁!!??)」」」」」」」」」

「もちろん野菜汁じゃないから安心していいよ。これはただのフルーツジュースだから。」

は乾の方をじとーっと見ながら一気にぐーーーっと飲んだ。

「あ、これおいしい〜vv乾ー、あとで作り方教えてー。」

「喜んでもらえてよかったよ。」

その後も他愛もない話をして空が暗くなりかけた頃レギュラー陣はおいとまする事にした。

「じゃあ、お大事にな。」

「うん。皆も来てくれてありがとう。学校にいる気分になって楽しかったよ。」

ちゃん明日は来れそう?」

「うん。何かみんなの顔見てたら元気出てきたよ。明日はちゃんと行くからね。」

〜。また明日ね〜〜。」

は笑顔で元気の有り余っているレギュラー陣に手を振った・・・・。







はずだったのだが・・・・

「38.0℃。周助〜、私の風邪うつっちゃったね。」

はすっかり元気になったが逆に不二が風邪をひいてしまった。

が元気になったんだからよかったよ。ほら、遅刻しちゃうよ。」

「うん。早く帰ってくるからね。」

と、言って学校へ急いだのだが・・・・

「あ、おはよ〜!大変よ!!レギュラー陣がそろって学校休んでるらしいよ!」

「げっ・・・・・私のせいだぁ〜!!」

そしては学校が終わるとフルーツを買って1人1人の家にお見舞いに行ったそうです。







ったら。早く帰るって言ってたのに・・・・。」

「ごめんってば〜。今から周助にもリンゴむいてあげるから。」

「僕にはリンゴなの?」

「だって周助リンゴ好きでしょ?フルーツジュースよりこっちの方がいいかな
と思って。リンゴは今はちょっと高かったけど。周助だけ特別ね♪」

はニッコリ笑いウィンクまでして台所へ降りて行った。

「クスッ。たまには風邪ひいてみるもんだね。」





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