今日のライバルは明日もライバル


「ふぅ…これでやっと帰れるぞ〜。」

急な雨で受付もバタバタと片づけ。一段落し、は額にうっすら浮かんだ汗をぬぐう。

じゃねーか。」

「ん?あれ、景吾だ。今日樺地一緒じゃないの?」

「…別にいつも樺地と一緒ってわけじゃねーぞ。」

「あれ?そうなの?」

はケラケラ笑ってきょろきょろと辺りを見回す。

「他の皆はいないの?」

「あぁ。雨で順延だから家に帰って休んでんだろ。」

「青学との試合どこまで進んだの?」

ニッコリとが笑って聞くと跡部の整った顔がひくっと引きつった。

「…受付にいたんじゃ試合結果わからねーんじゃねーのか?」

「さっきね、比嘉中の人から試合結果聞いたんだよ。」

「…比嘉中?」

「そうそう。比嘉中の部長?凄い優しく青学の試合の事教えてくれたんだよ。」

「……お前結構やるな…。」

「え?」

わかってなさそうに首を傾げるに跡部の顔が少し赤くなる。

…。」

「景吾?」

、帰る準備できた?」

「!」

跡部の手がに伸びかけた瞬間タイミングを計ったかのように声がかかる。その声の主は…

「周助。ゴメン、もう終わったから大丈夫だよ。」

「ちっ…。」

跡部は軽く舌打ちをするが、その舌打ちは不二にしか気づかれない。

「あ、そーだ。景吾!」

「何だ。」

「寿葉がお弁当作って持ってったのに断ったんだって?」

「…あぁ、あのスパイのマネージャーか。」

「せっかく作ってくれたんだから食べてあげなよー。」

の作ったもんなら何でも食べるぜ?」

ニヤリと挑発するような笑みをに向ける跡部。は一瞬驚くがニッコリ笑って口を開いた。

「じゃあ今度」

「跡部。は青学のマネージャーだよ。残念だったね。」

「フッ…じゃあ俺様が勝ったら…な。」

「約束してもいいけど…私は青学が勝つって信じてるから。」

「…それでこそ俺様の選んだ女だぜ。じゃあな。」

「バイバ〜イ♪」

がひらひらと手を振ると跡部もに背を向けてひらひらと手を振った。

。試合中は他校と友達でも仲良くしないんじゃなかったの?」

「でも今試合中断してるでしょ?だからそれも中断♪」

「…なるほどね。まぁライバルは多いほど燃えるよね?」

「ん?そーだね。じゃあ帰ろうか。」

もちろん二人の言う『ライバル』はそれぞれ違うが…今日も明日もい続けるという意味では同じ…なのか?

「明日は雨止むといいね。」

「乾は晴れるって言ってたよ?」

「…てるてる坊主作ろうかな…。」

「クスッ…乾も信用されてないよね♪」

雨で流れるのは今日流した汗と涙…明日は心も空も晴れる…といいですね。





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