全国へ向けて


「リョーマゴメーン!お待たせ。」

「…先輩山からそのまま来たんスか?」

「うん。ギリギリまで色々やってたから…。」

「でも忘れてなくてよかったっス。」

「忘れるわけないでしょー。」

とは言ってもメールが来るまですっかり忘れてたのは内緒です。

先輩は全国の会場って行った事あるんスか?」

「まさか〜。そこってプロの試合とかやる所でしょ?

私テニスって見に行った事ないし。名前は知ってるけどね。」

バスに揺られていると…後ろから何かが聞こえてきます。

「待てやそのバスー!止まれぇー!」

「?」

先輩、どうかしたんスか?」

「何か聞こえてきたような…あ!リョーマここで降りなきゃ。」

「…そうなんスか?」

「ほらほら。降りますー!」

とリョーマが慌てて降りたのと入れ違いに慌てて乗り込んだ男の子がいた。

「うわー…でっかーい。こんな所でやるの?」

「でもここってアリーナじゃないスか。」

「アリーナだから決勝とかで使うのかな?」

2人が会場に入ると誰もいない…シーンとした中でコートをジッと見つめる。

「スゴいな〜…皆がここで試合するんだね。」

「まだ実感湧かないっス。」

「まだ始まってもないもん。ってあれ?他にも下見に来てる子がいるよ。」

がちょうど反対を指差すとそこには先ほど入れ違いにバスに乗った男の子が。



彼の名は遠山金太郎。



「キミも全国に出るん?わいもやねん。よろしゅうー!」

「…何あれ。」

「大阪の学校か…大阪だとどこが出てるんだっけ…?」

先輩そろそろ帰りましょうよ。」

「そうだね。でもあの子に挨拶ぐらい返してあげたら?」

「…。」

に言われリョーマが振り向くと…ゾロゾロと何人かが入ってきた。

「金太郎さんや。ホンマに走って来たん?」

「おう皆来てたんか!」

「あ!」

が指差す方向には3位決定戦の時にあった千歳の姿。

「おい小春あのFILAの帽子…!」

「ケンヤ君が言ってた奴とちゃいまっか?」

「せやめっちゃ図太い神経で…」

向こうは向こうで一斉にリョーマに視線を向ける。


「へぇアンタ達大阪代表?」


「唯我独尊」


「わざわざ遠い所やられに来たんだ?」


「ちょっとリョーマ!」

自分に視線を向ける人達を早速挑発し始めるリョーマ。

「ほんで三白眼でえらい睨んできはるらしい」


「Bye Bye」


「アメリカ帰り!?金ちゃんアイツや!関東のどえらい…」

「コシマエ…!待てやー!コシマエー!」

「…こしまえ?」

「…誰がコシマエだよ。先輩帰りましょう。」

「あ、うん…。」

後ろの大阪代表を気にしながらはリョーマに手を引かれ会場を後にした…。



「楽しみばいね、金ちゃん。」

「千歳ぇ…アイツ帽子で3つ目の目隠してるんか?指から毒素も出してへんやん?」

「何ね、それ?」

「あっ!おらん!!」

千歳は金太郎の質問に答えながら…の去った方向を楽しそうに見つめていた。





そして…同時刻。ついに全国大会の組み合わせが決定した。





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