結果が与えてくれるもの


無情にも主審のコールがコートに響き渡る。



力を使い果たしたのかリョーマはコートに倒れ込んでいた。

「越前!」

「…多分大丈夫だよ。疲れて寝てるだけだから。」

はレギュラー陣の方は見ずにコートの方を見つめて言った。

、大丈夫?」

「大丈夫だよ〜。私の心配よりリョーマの心配しなきゃ。」

は声を聞く限りでは泣いてはいないようだ。





「真田副部長!お疲れ様っス!」

「あぁ…。」

「幸村の手術始まっちまったぜ。」

「だが約束は果たした。あいつも大丈夫だろう。」

ブチッ!突然妙な音を立てて真田のガットが縦に切れた。

「…。」

「最後のショットか…。」

「失敗だったようだがな。」

「ま、勝ったからいいんじゃねぇの?」

ブン太が軽く言うが、立海の無敗の記録に汚点がついたのは紛れも無い事実。

「全国では無敗で優勝するぞ!いいな!」

「「「「イエッサー!!」」」」

汚点がついてはいるもののまだまだ彼らは追われる者である。





「あ、リョーマ起きた?」

「…先輩…。」

「お疲れ様。」

いつもと同じようにニッコリとリョーマに笑いかける。

「俺…負けたんスね…。」

「そうだね。負けちゃったね。」

「……」

「……」

もリョーマもコートの方をじっと見つめている。

「次戦ったら勝てるよ。」

「…もちろん勝つっスよ。」

「そのためにも全国大会までたくさん練習しなきゃね。」

「…先輩泣いてないんだ。」

「1番悔しいのは私じゃないから。だから私は泣かない。」

「へぇ。」

リョーマはいつものようにニヤッと笑ってに近づいた。

「…先輩。今度あいつに勝ったら…その時は俺と…」

「?」

「おーチービ!!」

「いてっ!」

「英二!!」

に近づくリョーマの背後からガバッとタックルする英二。

「何するんスか!」

「英二!リョーマ試合終わったばっかりなんだからイジメないの!」

「…だってさ〜。」

に叱られてピタッと止まる英二。

「で、リョーマ。何言おうとしてたの?」

「もういいっス。」

「えー。気になるのに…。」

「また今度言うっス。」

「言えればいいけどね♪(ニッコリ)」

「…」

黒い微笑みで圧力をかける不二。

「あ!そうだ。」

「どうしたの?」

「杏ちゃんから不動峰も試合あるから終わったら来てねって言われたんだ!」

「そういえばちょうど3位決定戦がやっている所か。」

「私見に行ってくるね。」

は皆の返事を待たずに走って行ってしまった。

ちゃん無理してるのかなぁ…。」

「…」

「そうでもないんじゃないかな?」

「え?」

「無理してるんじゃなくて、なりにやってるんだよ。」

「俺達も頑張らなくっちゃね!」

「あぁ。全国大会でリベンジしよう。なぁ越前!」

「もちろんっスよ。」





明日からはまた全国に向けての厳しい練習が始まる。
全国大会までに彼らは一回りも二回りも成長している事だろう。
もちろん彼らには負けていない…彼女だってもっと…





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