いざ、最後の決着へ


「ふ、不二先輩が勝ったぁーっ!!」

「これで青学・立海共に2勝2敗だぁ!!」

握手をしようとした不二と赤也だが、赤也が不二の方へ倒れこんだ。

「あ赤也ぁーっ!!」

「グガーzzz…。」

「大丈夫…寝てるみたい。」

先日のリョーマと同じように疲れ果てて寝てしまったようだ。

「周助!」

…。」

ベンチに戻ってきた不二に向かってギュっと抱きつく

「…だから気をつけてって言ったのに…。」

泣いてるの?」

「な、泣いてないもん。」

バッと離れて溜まっていた涙を拭き取る

「あ、そうだ。周助。ちゃんとボールが当たった所氷で冷やして。」

「はいはい。」

「でもよく勝てたね。全然見えなかったんでしょ?」

「いや……見えなかったから勝てたんだ。」

不二はニッコリと笑ってレギュラー陣を見上げた。

「???」

「(――極限状態限界まで神経が研ぎ澄まされていたから…それに…)」

不二は青学の校章が刻まれた旗を見上げた。

「周助?」

「クスッ♪見えないけどの応援のお陰で勝てたのかな♪」

「…嘘つき〜。」

そうは言いながらもは嬉しそうにニコッと不二に微笑んだ。





「し、試合は…試合はどうなった!?」

目を覚ました赤也に立海メンバーは首を振って結果を伝える。

「お前の負けだ赤也!!結果は5−7。」

「真田副部長っ俺を殴っ…」

「座ってろ。」

出で立ちだけでギャラリーを静まり返させる皇帝真田弦一郎。

その皇帝に挑むは青学の1年生レギュラー…ルーキー越前リョーマ。

「越前……相手は今この日本中学テニス会で間違いなく一番強い男だ。」

「キサマの全てをぶつけてやれ。」

「もう理屈じゃあない。」

「頼むぞ越前…。」

先輩レギュラー陣の言葉にリョーマは無言で頷く。

「…!」

英二と桃は共に同じポーズで片手を挙げリョーマに無言で合図している。

「よっしやぁーーっお前ならやれるぜビクトリィーだっ!!」

「青学1年越前リョーマ行ってきまーす。」

英二と桃とハイタッチを交わし、の前で一瞬立ち止まった。

先輩。」

「…何?」

「絶対俺から目離さないでくださいよ。」

「もち!リョーマ頑張って!」

「ウィーっス!」

ニヤッと不敵に笑ってリョーマはコートに向かっていった。





最強の皇帝に挑む挑戦者。勝負の行方は…誰にもわからない…





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