ライバル


「桃!海堂!お疲れ!」

「スイマセン・・・負けちゃって・・・。」

「・・・・すいませんっス・・・。」

試合を終えた桃と海堂が青学サイドへ戻ってきた。

「2人共お疲れ!さぁ、桃はこっちへ来なさい。」

先輩?」

青学が負けると自分が負けたように沈んでるだが、今はなぜか明るい。

「ほら、膝消毒するからこっちおいで。」

「あ、どうもっス。」

「まったく〜・・・桃はすーぐケガするんだから。」

「すいません・・・。」

謝る桃には「えいっ!」とデコピンをくらわす。

「何するんスか!」

「謝んなくていーの。ライバルの薫ちゃんのために頑張ったんでしょ?」

「いや・・・アイツのためっていうか・・・。」

「よしっ!消毒終了。今日の桃カッコよかったぞ!」

にニッコリ微笑まれ桃は頬を赤くする。

「今日のっていつもはカッコよくないって事っスか?」

「そんな事な」

〜!ちょっとこっち来てよ〜〜。」

否定をしようとしたの言葉を遮って英二がを手招きする。

「どうしたの〜?英二。」

「(英二先輩・・・邪魔したな・・・。)」

英二だけではない。レギュラー陣全員が桃に冷たい視線を浴びせる。

「・・・・恐ろしいな・・・恐ろしいぜ。」





「結局6−1で王者立海か・・・・・・・・・・・・・・・。」

「次のダブルス1を落とすと青学はたぶんストレート負けや。」

氷帝ベンチでは忍足が冷静に分析する・・・。





「やっぱり強いね、立海大は・・・。」

「あぁ、でも次は青学が誇る黄金ペアだろ?」

「お〜ゴングがなり響く。」

「つまんねーんだよ!ダビデ!」

「うっ。」

六角サイドも立海の強さを目の当たりにして多少なりとも驚いている。





「いや〜しかし。桃城くんの火事場のバカ力は相変わらずだね。」

「あれ・・・千石くん?いつからいたの?」

「ガーン・・・ちゃん・・・俺桃城くんの試合の途中からいたんだけど。」

「え、そうなの??」

が不二の方を見ると不二はニッコリ笑ったままだ。

「ゴメーン・・・全然気づかなかった。」

は一旦試合に集中すると人が来ても全然気づかないよね〜。」

「でもさっきの試合は本当目が離せなかったな〜。」

その言葉に桃と海堂がドキッとする。

「何か・・・いいねぇ〜ライバルって。ライバルがいると燃えるよね!」

だってライバルいるでしょ?」

不二に聞かれはうーんと考え込む。

「ライバル・・・そうだなぁ〜・・・色んな物のライバルはいるかも。」

「色んな物ってどういう事っスか?」

「例えば〜・・・んーっと何だろ・・・??」

人差し指を眉間にあてて考え込むだが一向に答えが見つからないらしい。

「でも・・・テニス部の皆は私のライバルだよ?」

「え、俺達が?」

「そ。だって、皆が頑張ってる姿見て負けてらんないなって思うもん。」

テニス部では己以外がライバル。レギュラーではないだって立派なライバルだ。

「だから・・・次の試合で流れ・・・変えてきてね!」

「だからって・・・ちゃん、文章繋がってないよ?」

大石が苦笑して意気込むに突っ込みをいれる。

「ともかく!私も頑張って応援するから!頑張って!!」

「まっかせろって!な、大石!」

「あぁ。じゃあ行ってくる。」

コートに向かう頼もしい背中・・・は視線をそらさずにしっかりと2人を見ていた。





黄金ペア復帰戦。不安はあるが・・・この2人ならきっと・・・きっとやってくれるはず・・・。





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