青春学園中等部男子テニス部の柱 |
手塚がヒジを痛めた原因・・・それは2年以上も前のこと・・・・ 今テニス部を引っぱっている3年生が下っ端1年生の時である。 『ゲームセットウォンバイ手塚6−2』 「ありがとうございました。杉山先輩。」 「杉山先輩、手塚くん、お疲れ様です。タオルとドリンクです。」 1年生の時から男テニマネージャーをしていた。 この時はまだ手塚や、大石としかあまり話した事がなかったのだった。 「あ、さん。仕事終わったの?」 「大石くん。あと日誌を書いたら終わりだよ。」 「俺たちも手伝おうか?」 「ありがとう。だいじょうぶだよ。すぐ書けると思うし・・・・アレ?」 は一生懸命メニューの内容を思い出そうとするが、どうもこの時期の メニューは独特すぎて1年生で内容をきちんと覚えているのは大変なのだ。 「さん、ここはボレーの足腰の強化用のメニューだよ。」 「あ、そっか。部長が言ってたね。」 「手塚くんメニューの内容全部覚えてるのかい?」 「まぁ、大体全部覚えてるけど。」 「すごいね〜。いつもありがとね!」 1年生ではいつも手塚と大石がの仕事を少しずつ手伝ってくれているので 帰りはを1人で帰らせるのは危ないのでよく3人で帰ったものだった。 「手塚くんってさ〜すごいね〜。今日も先輩5人も倒しちゃったもんね。」 「でもあんまり先輩達に勝っちゃうと反感買いそうでハラハラするよ。」 「そーかな?」 「ここ4・5年名門と言われた青学テニス部が都大会止まりだからね。」 「手塚くんがいれば絶対関東へ行けるのになぁ〜。」 の「関東」という単語にピクっと反応する手塚。 「青学テニス部のきまりで1年生は夏までレギュラーになれないなんて・・・。」 「構わないさ。そのかわり・・・俺達の代では絶対青学を全国へ導いてやろうぜ。」 「い゛っ・・・コリャ大変。」 「全国か・・・私もみんなの力になれるように一生懸命頑張る!!」 「ところでさ、手塚くんって右利きだっけ?」 右肩にラケットバックを担いでいる手塚を見て大石が思い出したように言った。 「左・・・」 「アレ?さっきまで先輩と右手で試合してなかったっけ?」 「手塚くん・・・・まさか・・・・。」 手塚なりに先輩に気を使ってたみたいですね。今いる誰かさんみたいに。 しかし、手塚の事をよく思わない先輩がいたのもまた事実であった。 「テメェ先輩を何だと思ってんだ。」 「試合をしたいと言ってきたのは先輩の方ですが。」 「コノヤロウ俺たち相手に利き腕はいらねえらしいな。」 「おい、武居やめとけよ。」 「うるせー!もうガマンならねぇ・・・左手使わねぇんなら・・・こうしてやるよ!!」 ガッ!! 「手塚くん!」 が救急箱を持って行くよりも早く手塚が武居に向かって怒鳴り始めた。 「ふざけるな!あなた達は何年テニスをやってんだっ!!ラケットは 人を傷つけるためにあるんじゃない!そんな部活なら・・・・オレ辞めます。」 「だめだよ手塚くん。いけないよ・・・・。」 大石の言葉は聞こえないのか・・・手塚はラケットバッグを持ってコートから出ようとする。 「何を揉めてるんですか?グラウンド100周ですね。みなさん。さあ連帯責任です。」 「大和部長!」 当時の部長大和祐大が現れ、連帯責任としてグラウンド100周を言い渡す。 「短い間お世話に・・・・。」 「コラコラ・・キミも部員でしょう?走りましょう100周。」 「え?オレは退部します。」 「おや、そうですか。じゃあ届けは走ってから受け取りますよ。」 そう言って被害者であるにも関わらず手塚を走らせる。 「さん。あなたは走らなくていいんですよ。」 「え?」 も出遅れたが走りに行こうとしたが大和に止められてしまった。 「どういう事ですか?大和部長。私も部員の1人です。」 「さん、あなたはこれから男テニになくてはならない存在となるでしょう。 だから走らないで事の成り行きを見ている義務があるんですよ。わかりますか?」 「???」 すると大和は部員が走っている所へ歩いていくのでもそれについていく。 「もうダメっ30周がやっとだよ。・・・さすが青学やっぱり鍛えられてるんだ・・・。」 大石が走っている先輩を見ていると・・・同じ体操着を着た手塚がまだ走っている。 「手塚くん・・・あの先輩達についていってる。凄いや・・・・やっぱりやめちゃダメだ!」 「大石くん?危ないよー。」 の声も耳にせず大石は手塚の前に立ちはだかる。 「こんな程度の事で諦めてどうするんだよ!手塚君キミがやめるんだったら僕もやめるぞ!」 「大石くん・・・・。」 「そうだよ!手塚くん!こんな事でやめちゃダメだよ!」 「手塚くん。ボクは部長としてたいした事は出来ません・・・でも、全国への夢は一度も 諦めた事はありません。手塚くん、キミには青学テニス部の柱になってもらいます。」 「えっ・・・?」 「そうだよ!手塚くん!一緒に全国に行くって言ったじゃん!」 「俺たちの代では絶対青学を全国に導くんだろ!」 「さん・・・大石くん・・・・。」 「手塚くん、青学を頼みますよ。」 「大和部長・・・・。はい。わかりました。」 手塚が柱を襲名した日・・・しかしこの日の事件がきっかけで手塚の腕の不調が始まったのだった。 BACK |