内に秘めた才


「ゴ・・・・ゴメン勝てなかった・・・。」

「ナイスゲーム!!」

「タカさんお疲れ!!」

「タカさん!どうしてあんな無茶したのよ〜〜。」

はもう感極まってボロボロと涙を流している。

ちゃんだいじょぶだよ。泣かないで。」

「何がだいじょぶだ!全く寿命が縮まったよ。」

「すいません・・・・。」

「スミレ先生タカさん治りますよね?」

「あぁ、骨に異常はなさそうだが早めに外科の先生に見せた方がいいな。」

そこまで言うと竜崎は氷帝の方を向いて言った。

「樺地くんも連れて行くがよいかな?」

「行ってこい樺地。」

「ウス。」

「よろしくお願いします。」

監督榊太郎(43)も竜崎にお辞儀をした。

「スミレ先生!私もついていきます!」

涙で顔が濡れているも言った。

はここに残って応援してておくれ。」

「でも・・・・スミレ先生・・・・」

ちゃんはここに残って不二の応援してあげてよ。」

「タカさん・・・・・じゃあ早く戻ってきてね?約束。」

は河村のケガをしていない方の手で指きりをした。

「じゃあ、周助。次がんばっ・・・周助?」

不二はコートに入ってタカさんのラケットを握りしめている。

「(こんな血まみれになるまで無理をして・・・)タカさん、このラケット使ってもいいかな。」

「不二・・・・そんな俺のラケット何かじゃなくて自分の方がいいんじゃないか?」

「だいじょぶだよ。タカさんの分の仇取るから。」

不二の決意は変わらないようだ。

「やっぱ周助は友達思いだね。」

「そうかな?」

の言葉にニッコリと笑って返す不二。その顔はまだ余裕の色が見える。

「じゃあ連れてくから、後は頼むぞ手塚。すぐ戻る!」

「はい!」

「誰かアタシの代わりにベンチコーチを・・・。」

全員がベンチを見ると・・・・すでにリョーマが座っている。

「リョーマ!!何やってんの!!」

「いーっスねこっちの方が背もたれあって。」

「何とぼけた事言ってんだどけどけおチビっ!」

「ヤダ。」

「そーだ越前お前にゃまだ早ぇーーな早ぇーーよ!」

「ヤダヤダヤダー!」

「リョーマずるい!私も座りたい!!」

さっきまで泣いていたが今度はふくれている。

ちゃんベンチコーチは登録された選手か顧問の先生しかできないんだよ。」

「あ、そっか。じゃあ手塚とか乾の方がいいんじゃない?ねぇ周助。」

「ボクは構わないよ・・・越前がベンチコーチでも。」

「周助〜。本当にそれでいいの〜?リョーマだよ〜。」

先輩それどういう意味っスか?」

「だって、リョーマだったらアドバイスするどころか挑発するんじゃないの?」

「それは言えてる。」

にししと英二がリョーマを見て笑う。

「別にいいじゃないスか。不二先輩がいいって言ってるんだし。」

「本当はがいいけど、今日の所は越前でガマンするよ。」

「(ガマンかよ・・・・)」

リョーマは絶対アドバイスなんかやらないと心に誓おうとさえ思った。

「まぁ、アタシからアンタへのアドバイスは特に・・・・・不二、たまには思いっきり戦ってみな。」

「はい。」



そして、天才がついに最後のベールを脱ぐ試合が始まった・・・・・





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