どん欲な奴ら


「(ギリギリまで引っ張りすぎた俺の作戦ミスだったな)」

乾はデータノートに何かを書き込みながらそんな事を考えていた。

「いーぬーい!」

「うわっ。」

座っている乾にがガバッと抱きついた。

?どうかしたのか?」

「ん?とりあえず散歩ついでに探しに来た。」

「そうか。」

「乾いさぎよかったね〜。」

「何がだ?」

「さっきのスマッシュのやつ。スポーツマンシップにのっとってるっていうか何ていうか・・・・ね?」

言葉が見つからずニッコリと笑ってごまかす

「スポーツマンシップにのっとってるか・・・・らしい言葉だな。」

「そお?だってあんなのよく見えたよね。」

逆光なのに・・・・という言葉は口に出さずにおいた。

「あ、長太郎と宍戸だ・・・。」

2人は試合直後にもかかわらずランニングしている。

「試合直後のクールダウンか・・・・もう次の試合に備えてるとは何処までもどん欲な奴らだ。」

「クールダウンね・・・・そんなの必要なかったりしてね。」

ニッコリと笑って言うを見て乾は笑いをこらえきれなかった。

「乾〜。何で笑うのよ〜〜〜。」

「いや、もそうとうな自信家だなと思ってな。」

「だって、皆が負けるわけないもんね?」

「あぁ、それはそうだけどな。」

「おろ?」

は乾のノートに書いてあるデータをチラッと見て変な声をあげた。

「乾もそーとーどん欲だね。」

「・・・・ところで、海堂を見なかったか?」

「さぁ見てないけど・・・・どこ行っちゃったのかな?」

「またあいつの事だからがむしゃらに走っているのかもな。」

「えぇ?!クールダウンじゃなくて!?」

「あぁ、海堂ならありえるぞ。」

「そりゃ大変!マネージャーとして止めてきま〜す!」

はピッと敬礼して海堂を探しに走っていってしまった。

「全く・・・・は元気だな。」

乾はニヤッと笑って青学陣の方へ戻って行った。







たったったったったったったったったったったった

「あれ〜?あ、いたいた薫ちゃ〜〜ん!!」

「・・・・先輩。」

「やっぱり走ってた。それクールダウンじゃないでしょ〜。」

「・・・・・。」

「もー・・・・こっちおいで、ジュースおごってあげる。」

はちょいちょいと手招きして自販でガコンガコンとスポーツドリンクを買った。

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

「薫ちゃん?ちゃんと試合後なんだからクールダウンぐらいにしなきゃいけないよ?」

「・・・・・・・・はい。」

「でもブーメラン完成したね。おめでと〜。」

はパチパチと拍手をした。

「・・・・でも完成して取られるとは思わなかったっス。」

「そうだね〜。でもさ、いいじゃん。完成したんだから。」

「?」

「だからね、完成したんだから今度はその次から練習すればいいわけじゃん?」

「・・・・そうっスね。」

「だから、今度は取られないブーメランに向けて練習がんばろ?」

「・・・っス。」

海堂が返事をするとはすくっと立ち上がりお日様を指差して言った。

「とりあえず今は1回戦勝ち抜くことが先決!だから応援しに行くわよ!」

「・・・・・はい。」

次のS3に間に合うように2人は走って皆の所に帰っていった。





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