唯一できないもの |
がすっぱりと向こうの記憶をなくしてしまった次の日。 「さすがにそろそろ片づけるべきよねー。」 不二家に来てから1ヶ月弱まだの部屋にはそこらじゅうに荷物が散らばっている。 「やっぱ、ここは周助に手伝ってもらわないと!」 何がやっぱなのかわからんがは不二の部屋へ向かう。 「周助ー。荷物整理手伝ってくれない?」 がひょこっと不二の部屋に顔を出すと不二はベットによっかかって読書中だった。 「まだ荷物全部片づけてなかったの?」 「最近部活で忙しかったから…。」 というのは言い訳であって、ただめんどくさかっただけの事だった。 「しょうがないなぁ。」 そう言いながらもやっぱり手伝ってくれる不二。 「何から手をつける?」 「そうだなぁ…。やっぱり本類かな?」 は少し読書家らしく本類は割と量がある。 「って雑食なんだね。ミステリーにファンタジー…マンガも多いけど。」 「でもそこまで多くないでしょ。」 「へー。テニスのマンガもあるんだ。」 不二はしゃに○にGOをパラパラとめくった。 「それはイメトレに便利だよ。こっちはね、自分の考えを改め直す時とかに読むんだ。」 「へー。」 「あれ?教科書もなんでこんなたくさんあるんだ?」 「化学TB?数学TA?高校の教科書まであるよ。」 「何でだろうね?由美子さんのがまじったかな?」 不二はこれの…と言おうとしたがすんでの所でやめておいた。 「(これは僕だけが知ってるだからね♪)」 「周助ー。また変な物出て来たよ。」 「どれどれ?」 が取り出したのはマンガサイズの真っ白い本が14冊。 「こんなの何に使うんだろう?」 「さぁ。僕にもさっぱりだよ。」 「捨てちゃおうか?」 「そうだね。」 大して気にも止められずその本は処分される事になった。 「やっと部屋らしくなったね。」 「僕のおかげでね。」 「感謝しております。」 ペコリとはおじぎをした。 「さ、片づけもすんだしおやつにでもしようか?」 「わーい!賛成!」 2人が全く気に止めなかった真っ白な本。 それは現実世界に生きる者だけが読める物。 あなたはなんだかわかりましたよね? BACK |